CONTAX AXっていいカメラ? その1
僕の愛機であるフィルム一眼レフカメラ
コンタックスAXの特徴について、ここから何回かに分けて書きます。
今回はそのプロローグです。
30代も後半になってからカメラに興味を持ち出した僕。
わずか2年くらいの間にキヤノンのEOS30Dから始まって1DmkIII、そして「カメラで映画みたいな動画が撮れる!」と5DmkIIに買い替え、マウントアダプターを介してコンタックスのレンズをつけて撮るという、まさにデジカメによる沼への転落の人生を歩んでいました。
プラナー85mmF1.4MMG※1
プラナー50mmF1.4MMJ
ディスタゴン35mmF1.4MMG
今だったら手が届かない組み合わせですが、当時はコンタックスブランド廃業直後でそれほど高価でもなく、それ以外にも
ディスタゴン25mmF2.8、ディスタゴン28mmf2.8、テッサー45mmF2.8、マクロプラナー60mmF2.8、ゾナー135mmF2.8、ゾナー180mmF2.8、バリオゾナー80-200F4、バリオゾナー70-210mmF3.5、バリオゾナー35-70mmF3.4などを、取っかえ引っかえしていました。
そうなると、カメラ本体にも興味が湧いてくるというものです。
中でも「マニュアルのレンズでオートフォーカスできます」という、嘘みたいなことが書いてあるAXには大変興味をそそられました。
そしてある日、新宿の中古カメラ店で見つけたAXが「ガバナー鳴きします」※2という理由で2万円ちょいで売られているのを発見してしまい、D-8付※3のそれを買ったのです。
鳴きは、まだ当時メンテをしてくれていた原宿の京セラへ持ち込んで解消、20000番台※4のその個体はとても快調に動作して、僕のフィルムカメラライフを支えてくれましたし、その後RTS、RTSII、 RTSIII、T3、TiX、TVS2、TVS3、G2、TVS Digital、645※5まで購入するきっかけを与えてくれました。
これはある意味「転落を加速させてくれた」とも言えます(笑)。
さて。
そこから10年近くの時を経て、一旦はやめていたフィルムカメラ撮影を訳あって再開するにあたり、何を買おうかと考えた時に上記の、またそれ以外の色々なカメラが思い浮かびましたが、結局買ったのはAXでした。
これからの回で、その理由を挙げていきます。
多分それは、他のカメラに対してAXが持つアドバンテージでもありますので、購入を考える方の参考にもなると思います。
あのコンタックス専門店極楽堂※6の副店長さんでさえ積極的には薦めないカメラですが、「大きくて無骨なカメラでもいい写真が撮れるなら欲しい」という人がもしいれば、ぜひ入手してみてください。
次回に続く
注釈
※1 コンタックスのレンズには焦点距離、明るさの他に、銘柄とアルファベット3文字がついています。
プラナー/ゾナー/ディスタゴン/テッサー/ホロゴン/ミロター/ムターなど
レンズ構成の違いで分けられることが多いです。
MMG「Multi ModeができるGermany(ドイツ統一前の製造だとWest Germany)製」
マルチモードとはシャッタースピード優先、絞り優先、完全自動プログラム各モードの自動露出ができるという意味です
MMJ「Multi ModeができるJapan製」
AEG「Automtic Exposure(絞り優先自動露出)ができるGermany製」
AEJ「Automtic ExposureができるJapan製」
※2 ガバナー鳴きとは、レンズの絞りをプレビューするボタンを押したり、撮影したりして絞り羽根を動かすと「ピヨッ」と音がすることを「鳴く」と表現したものです。
正常時は「鳴き」ません。
これはカメラ側の絞り操作部分の潤滑不良が原因なので、すぐに故障するわけではないですが、全体にグリスが劣化していないかの確認とメンテを行うべき目安になります。
※3 D-8とは、このカメラ専用のデータバックのことです。
コンパクトカメラなどでも一般的な日付も焼けますが、フィルムのコマ間(または最初の2コマ分)に撮影時のシャッタースピードと絞り値を焼き付けてくれるので、後から「露出はコレだと足らないんだ」といった振り返りが可能です。
インターバルタイマー機能もあるらしいですが…僕はやったことないです。
また、カメラの背の部分で圧版を兼ねていますから、オートフォーカス時に前後するのが見えて「あ、ちゃんとフォーカスやってる」というちょっと楽しみも個人的にはあって、AXには必須アイテムにしています。
※4 20000番台…AXは量産ロットによってオートフォーカスの精度に差がある、と言われてきました。後の方になればなるほど良い(密かに改良されたと思われる)そうで、後ろの左肩部分に書かれている番号が20000を超えているものが一番精度が良いらしいのです…が。
2018年の今、市場のAXのほとんどは程度の差こそあれメンテを経ているため、この常識が通じるかどうかはわかりません。
※5 コンタックスには4つのレンズマウントがあります(旧Contax除く)。
・Y/Cマウント
・Nマウント
・Gマウント
・645マウント
N、G、645は最初からオートフォーカスしますが(しないレンズもあります)、最もポピュラーなY/Cマウントレンズを装着するだけでオートフォーカスできるカメラはAXのみです。
その他に35mmフィルムやAPSフィルムを使用するコンパクトカメラ、デジタルカメラがあります。
※6 日本広しと言えども、コンタックスという「もうなくなっちゃった」メーカーのカメラとレンズのみを扱うお店は東京新宿のはずれにある極楽堂のみです(お隣に他メーカーのカメラ・レンズを扱う系列の中古カメラ屋さんもありますが)。
オーナー=店長である一般の中古カメラ店と違い、スタジオマン出身の若い女性を店長に据えた大胆人事(笑)、メカ的なことは副店長が詳しかったのですが…10年の歳月を経て店長も結婚・出産・育児をされながら店に立ち続け、カメラにもとても詳しくなられました。
副店長はRXなどの方がコスパも良く、可動部の多いAXの故障確率を考えるとオススメしづらいそうなのですが、僕がAXを欲しい理由を聞いて「じゃあ、それしかない」と言ってくれましたので、要は使い道ということでしょう。
CP+に行きました 完結編
CP+編は今回で最後です。
この日行きたかったところ…
実はパシフィコではありませんでした。
お隣のホテルの一角、それもちょっと階を上がったところにある「プロ向け動画エリア」だったのです。
週末はクローズしてしまうため、わざわざ平日に行ったのはこのためでして。
去年まではパシフィコの中でやっていたのに
ひどい扱いじゃない?人来なくない?
とブースの企業の方にお聞きしたところ
(そんなこと聞く方も聞く方ですがw)
「ちゃんと見たい人だけが来るようになった&出展費用が若干安くなった」
とのことで、逆に良い反応が。
なーるほど。
で。
すごかったですよー。
家電量販店では絶対にお目にかかれない4Kカメラがどどーん!
SONYだ!Canonだ!Panasonicだ!Blackmagicだ!
それにくっつくATOMOSだ!フジやシグマのシネレンズだ!
とまあ、さほど広くないスペースに対して高級機材の密度がすごかったんですが、その辺はスルーさせていただきまして。
(だって買えないし)
個人的に気になったアイテムをちょっとご紹介
TASCAM タスカム / DR-10L ピンマイクレコーダー
リニアPCMレコーダーの小型化が目覚ましい。
左はマイクに直接くっつけるタイプ、右はワイヤレスマイクより小さいピンマイクタイプ。
テレビで記者がテープレコーダーを肩から下げて、有線マイクでインタビューしていた頃とは全く違う世界になったかのようですね。
そこまで遡らなくても、SONYが10年ちょっと前に出したPCMレコーダーの軽さと音質に感心したのが、まるで遠い昔のことのよう。
次は地味ながら「お!」と思ったもの
防水耐衝撃の上に、曲げられるLEDライトです。
このサイズのLEDがこんなに軽くなった上に、柱や机などの形に合わせて曲げられ、しかもパーマセルでくっつけておけば支柱も要らないなんて。
ライティングの自由度がどんどん上がるのは、動画だけでなく写真撮影の場でも新しいアイディアが生まれそうで、こういうアイテムには注目してしまいます。
最後はこれ
ブレててごめんあそばせ。
だってスライダーが自動でずっと動いているのですから。
もはや一般的になりつつあるエーデルクローンのスライダーシステムですが、国内代理店ができたそうで。
メンテナンスの窓口が日本にあることで、メールのやりとりが英語とか、修理品を外国へ発送(工場はトルコ!)とかの手間がなくなるだけでも手が出しやすくなります。
ちなみに、並行輸入品は代理店扱いにならないそうなので、若干お高くても安心感は国内代理店から購入…にせざるを得ないようです。
さて
今年のCP+はキヤノン・ニコンに目立つ新機種が出なかったこともあって、ものすごい行列を見ることはありませんでしたが、ソニーはRX0からα9まで幅広い展示で存在感を増していましたし、盛り上がりという意味では去年に勝るとも劣らない印象でした。
ただ、その時はさして気にも止めなかったのですが、今思えばカシオが出展しなかったのは、撤退のサインだったのかもしれません。
来年は「出す・出さない」や「広くなった・狭くなった」にも注目しようと思った次第です。
ちなみに。
カメラ系同人誌を展示即売するコーナーも作らないですかね?
ミスド以外の屋台ももっと増えませんかね?
お腹空くわ…現状、昼食をちゃんと取るなら駅近くまで戻らないといけないので、早めに食べて会場へ行くなどの工夫は必要です。
と、注意喚起はそれくらいにして。
<おまけ写真>
マウントアダプターの焦点距離を50mmのままにして90mmをつけて微ブレした例w
下の写真のように、ちゃんと設定すれば暗くてもブレませんw
帰り際はもう日が暮れていました。
MM駅で電車を降りてからここまで全く座れず…疲れ果てても写真は撮ります。
この日最大の収穫でした…おしまい
CP+に行きました その2
前回の続きです。
さて、今回のCP+での目的
それは「仕事の役に立つ情報を仕入れる」ということ
この際SONYとかCanonとかNikonとかPENTAXとかPanasonicとか…
見てると1日があっという間に終わるのでほぼ無視です。
その代わり、DNPなどをよく見学しました。
(韓国で流行りの電球ホニャララが上陸してフォトグッズにまで)
それから、目立ったところでは中国製品
今やドローンのトップメーカーDJIや、三脚で有名なBENROなどは言うもないので…
例えばLAOWA。
X-H1に装着して試写
こんなに性能いいのね。
ヨンヌォや焦点工房、シルイなど数年前ならブースもなかったようなメーカーの勢いが凄まじく、中国がカメラ・レンズ・アクセサリーの市場に大きく食い込む日が到来しつつあると思わせてくれました。
ちらっと併設の中古カメラフェアを覗いた後は、次の主目的コーナーへと移動しました。
この時間になると、昼食抜きで歩き通しでは疲れる上になんか腹が減るんですが、時間を無駄にできないのと、パシフィコ内は飲食店が少ないため、仕方なく我慢します。
連絡通路で一枚
X-H1にズミクロン90mmF2を装着
コンタックスが光の魔術師なら、ライカは陰影の魔術師と言ったところ?
と、今日はここまで
プロ向け映像機器のコーナーのことは次回書きます。
CP+に行きました その1
かなり長いご無沙汰をしてしまいました。
5月になってCP+の事を書くなんてアホか。
さて、カレー屋が消えたことより「ショック」と書いたのは…
MM駅にはコインロッカーが少ない、という事実に対してでした。
イベントの多い駅にしては、改札を出てすぐのロッカーが少なすぎます。
こちらはカメラの箱など、大きな荷物を持ちながら会場を回るわけにはいきませんので仕方なくウロウロと探し、少し離れた駅出入り口にあったロッカーを利用しました。
カメラにモバイルバッテリーをくっつけて、紙袋を抱えてウロウロしている男。
完全に不審者ですw
荷物を置くと回り道した分、急いで会場に向かうことにしました。
今までCP+では、各社の最新カメラやレンズを見たり触ったり、説明を聞くことが主目的でした。
それが普通です。
しかし今回は、フジ以外でそれを行うのは最小限に止め、フォトグッズやプロ用映像機材など、会社で実際に利用しそうなサービスや製品を中心に見聞を広めるつもりでしたので、キヤノンやニコンなど主要メーカーのブースはほぼスルー。
入り口での手続きもそこそこに、まずは富士フイルムの展示へ直行します。
鮮やかな背景の前に立つモデルさん。
富士フイルムのカメラ以外では撮影しないで、との但し書きがありました。
X-H1ですもの、堂々と撮らせていただきましたよw
その後、テザー撮影やRAW現像アプリなど、久々に富士フイルム製品を使う自分にとって必要な情報を聞いた後、レンズのテイスティングコーナーを訪れました。
XF55-200の望遠端で1/30でもブレないボディ内補正にちょっと感動しました。
FUJIFILM フジノンXFズームレンズ XF55-200mmF3.5-4.8RLMOIS
と、ここでようやくブースの社員さんや、同じくレンズテイストにいらしたお客さんにX-H1の存在を知られました。販売初日に持ってくる人がいるなど、社員の方も少し予想外だったようで「ストラップがそれっぽいのでまさかと思ったが」とのこと。
最近は色々なグッズに写真がオンデマンド印刷できるのです。
おしゃれなオリジナルグッズが安価、短納期にできるのは魅力的。
ロットも最小でいいのです。
エエ時代になった、と感じつつ…。
話題のシネレンズにも触らず、他の目的地へと向かうのでした。
CP+に行きました その2に続く
Velviaモード vs Velvia100
誰もが一度は考えただろう
そして、誰もバカバカしくてやらないだろう…
ことを、あえてやってみました。
お互いが別物なのはわかってますよ。
スキャナの性能で結果が違うことも。
でも、やっぱり確かめたかったんだもん!
レンズはどちらもCONTAX。
画角の違いが発生するので、AXにはPlanar50mmF1.4、X-H1にはDistagon35mmF1.4を装着しました。
(これだと完全には同じ環境ではないので、最後に両方D35で撮ってみた写真も掲載します)
ちなみにスキャナはこちら。
Plustek OpticFilm8100 Film Scanner
スキャニングソフトは付属のSilverFast 8。
中間トーン30、コントラストと彩度は0に設定しました。
Round.1
なんだろう?
この微妙に似てない感じ。
ただ、よく見ると左の幕の紫や空の青が「ぽい」。
続いてRoud.2
黄色系の彩度が違うとこんなに印象が変わるか?という感じ。
逆にそこさえ何とかすれば似てる、とも言えます。
ちなみに両者SS 1/125。
Round.3
あら?
デジカメ大苦戦の様子?
同じSS 1/30なのですが。
デイライトでないにも関わらず、リバーサルの方が好ましい発色になったような?
Round.4
もうどっちがどっちと書かなくてもわかりますよね?
上がX-H1、下がVelvia100です。
ただ、コマをルーペで見てもこれだけの大きな違いはないです。
ちなみに、Photoshopでトーンカーブを調整してカラーバランスで黄色を足すと
補正をかければこの通り。
最終Round
色はともかく露出が…。
同じISO100、F5.6、SS1/125なのですが。
撮った時の印象としては、下のVelvia100の方が近いです。
X-H1の方は矢印ボードの色が安いプラスチックみたい。
シーンによってはフィルムの方が再現性高し?という結果になったのがちょっと驚きました。
と、いうわけで。
<今回の比較のみによる推論>
・VelviaモードはやっぱりVelviaそのものじゃない(少なくともRVP100じゃない)
高彩度モードである
・リバーサルの発色はいまだにシーンによっては、デジカメを凌駕する
※なおこの結果はあくまでも「個人の感想」です
FUJIFILM リバーサルフィルム フジクローム Velvia 100 35mm 36枚 1本 135 VELVIA100 NP 36EX 1
- 出版社/メーカー: 富士フイルム
- 発売日: 2013/04/01
- メディア: エレクトロニクス
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番外編
最後に同じDistagon 35mm F1.4 AEGで比べてみます。
1.5×クロップでこれだけ画角が違います。
というわけで、次回もお楽しみに。
(CP+の話も書かなければ…)
CONTAX Planar 85mm F1.4の魅力
前回、3本のCONTAXレンズを所有していると書きました。
その中でも個人的に思い入れがあるのは85mmです。
以前もMMGタイプを持っていて、こいつはF2くらいで人物を撮影した時に「俺って天才かも?」と錯覚を起こさせてくれるような魔法のレンズでした。
開放では…当時EOS 5DMarkIIにつけていましたが全くピントの山がわかりません(笑)。
ライブビューで拡大表示してやっとわかりますが、そんな撮り方で最初から最後までやっていたら日が暮れるので開放は諦めてました。
と、その頃から比べると価格も高くタマ数も少なくなってしまったために、再びMMGを取り戻すことはできませんでしたが、今手元にあるAEGもなかなか。
X-H1のVelviaモードとの相性もバッチリです。
「西ドイツ製」と書いているので30年以上昔に作られたレンズですが、この写真の発色となだらかなボケ方からして、とてもそんな風には思えませんよね。
XF単焦点レンズの優秀な写りとはまた違った意味で、これはすごく「アリ」です。
このレンズの本来あるべきところ(CONTAXカメラ)にもつけて、今度は人物撮影にも使ってみたくなりました。
撮ったらまたレポしますね。
X-H1にCONTAXレンズをつけて春を撮る
さて、ここまで書いていた「X-H1購入とCP+持参の際の顛末」ついてはまた日を改めるとして、今日はちょっと角度を変え、マイブームになっている「X-H1にCONTAXレンズをつけて撮る」についても書いてみます。
僕が今持っているCONTAXレンズは
・Planar 85mm F1.4 AEG
・Planar 50mm F1.4 AEJ
・Distagon 35mm F1.4 AEG
以上のラインナップ。
「最低限これさえあれば」という超有名な3本です。
でも、X-H1のために購入した訳ではありません。
X用の単焦点レンズは、比較的良心的な価格でびっくりするほどいい写りをする…と評判ですからね。
去年、6〜7年くらい撮っていなかったフィルムカメラでの撮影を再開するにあたって、どうせ撮るなら前と同じコンタックスで、と考えて、ボディ(AX!!)と同時に買ったものです。
ですが。
どうせなら、とフジのデジカメにつけて撮ってみると、これもなかなか!
というわけで。
これからその写りについても、写真やムービーでお見せできたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
まずは取り急ぎ、ご挨拶まで。