We are X!!!…だった日々
完全な事後報告です。
FUJIFILM X-H1、9月に売っちゃいました。
替わりに買ったのがSIGMA SD Quattro H。
このカメラ、何気にグッドデザイン賞を受賞しているのですが、スイッチ類の配置がとてもGoodとは言えません。一眼レフのSD14/15/SD1 Merrillを使っていた僕にはQ/S呼び出しボタンがシャッターボタン脇にあるのがとても不便です。
EVFだって微妙に光軸からズレてるいるし(ホットシューを優先したのでしょう)、上部に膨らんでいるのに固定式でチルトしません。デカくて重いのとは反比例で、小さなグリップは小指部分が余るし。
この本体とPG-41とEF-630とレンズを合わせた重さ、開発者のみなさんはどう思ったのでしょうw。
まぁ100歩譲って開発側は「画質のため」で自らを納得させたのかも?ですが、グッドデザイン賞の選考の際に「手持ちカメラとしての最適解」から大きく逸脱していることに何故選考者が気付かなかったのか、よくわからんのです。
このカメラのことは別記事に書くのでこれくらいにして。
X-H1と過ごした日々は、それはそれは幸せでした。
フェザータッチのシャッター、ピントの山がよく見えるEVF、単玉を使っても手振れ補正がちゃんと効く。手入力にはなるけれどマウントアダプター経由のオールドレンズに対してもです。
常用レンズはこれ。
高倍率なのにどの焦点距離でも変な描写はなく、望遠端でポートレートにもよく使っていました。
フィルムシミュレーションの色合いもよく、SDダブルスロットも超安心。
4K24Pで撮るシネマのような動画も良かった。
カメラとしての性能には何の不満もなかったのですが、入手から1年半で売却した理由は以下の3点からです(1が70%、2が20%、3が10%くらいの割合と思ってください)。
1. 買取価格の著しい下落
これはカメラのせいというより、完全にメーカーに翻弄されましたね。
X-H1の発売後すぐに、高速AFをウリにしたX-T3を発売するのですから!
ボディ内手ぶれ補正はないものの、小さくて軽くて処理速度も速いT3に比べると、相対的に魅力が色褪せたH1は価格がどんどん下落し、今では中古だと10万前後で購入が可能です。2020年まで所持してSIGMAのフルサイズFoveon登場と共に乗り換え…などと当初の予定通りのんびり構えていたら、頭金にもならないのでは?との思いが決め手の一つになりました。
価格.comより、発売時〜現時点での売価グラフを引用しました。
もう、この下がりっぷりったら。
2. APS-C
まず念のため。僕はAPS-Cセンサーサイズのカメラを否定もしませんし、画質云々で言えば感覚的には昔のフルサイズなんかよりもずっと良いくらいです。
ただ、撮影スタイルが室内のポートレートにシフトすることで、焦点距離の長いレンズが使いにくくなってきてしまった…そこで富士フイルムイメージングスクエアでレンズをレンタルするなどして18mm(28mm相当)、23mm(35mm相当)、35mm(50mm相当)を使ってみたものの、やっぱり18mmは18mmなのです(何言ってんだw)。
自分の技量の未熟さをレンズに転嫁しているかもしれないのを覚悟で書くと、広角レンズで全身を収めると「頭と足先が引っ張られる」という悩みをついに解消できないままでした。ライトルームで補正もしてみましたが、それはそれでせっかく入れた背景が切れたり、直線が歪んだりします。
また「神レンズ」と名高い56mmAPD付のボケには流石に感心したものの、56mmなのに最短撮影距離が70cm(ピントを確実に合わせるにはもうちょっと離れて撮ります)とレンジファインダー並に寄れないのもじれったく、これらの要因がちょっとしたストレスとして徐々に溜まっていきました。
使ってみたレンズたち。
こんな感じで、フジの単焦点は結構バリエーションに富んで味のあるもの揃いなんですがね。
3. 再挑戦
実はSD Quattroを少しの間持っていました、Hじゃない方を。
こっちね。
も〜ぅめちゃくちゃ使いづらかった!SD1 Merrillの方が100倍よかった!
シャッター音一つとっても、メリちゃんとは天と地ほどの開きがある!
出てくる画も期待したほどじゃなかったし!!
何よりEVFが酷すぎる。10年前か?AFでピント合わないのにマニュアルでも合わせられない。
と、すぐに手放したのですが…いや、待てよ。
数回しか撮らずその評価を下すのは、本当は自分が慣れてないだけで、おかしかったのではないか?と。クアトロが実はシャアだったと見抜けないオレはアホなんじゃねーか?と、いざ次を考えたときに、売却したことへの後悔が頭をよぎったのです。
X-H1の買取価格がぐーんぐん下がるのを横目に「よし、買うならリベンジしかねーべ」と、いつもの悪いクセが出たのが最後の一手になりました。
(ところがHにしたところで官能性に関しては全く変わらず、自分がちっとも間違っていないことがわかりました、というオチがつくわけですがw)
多分、風景やスナップ、お花を中心に撮影していたら今頃X-H1を手放さなかったか、X-T3に乗り換えていたことでしょう。そしてX-T30やX-T100、X-A7、X100FといったXファミリーをぶら下げたカメラ女子(勝手な脳内妄想)と一緒にお写ん歩を楽しみながら「We are X!!」と叫び一体感を醸したに違いありません(?)。
ですが今、僕はSIGMAのSD Quattro Hとfpの2台持ちで孤高、いや単なる孤独のポートレート撮りとなっています。
…お友達なんていません。
でも、寂しくなんか、ないんだからねっ!
(実際被写体さんを別にすれば、写真は独りでも撮れますからね)
最後に。
供養?として、X-H1で撮ったポートレートを何枚か貼ります。
いいカメラだったよ、X-H1。
で、来年はH2出るのかな?
もぅシグマがねぇ…使いづらくて(笑)
〇〇かぶり
前の記事で宣言した通り、ちょっと更新頻度上げました。
そんなに読まれてないのでひっじょーに気が楽です、自由に書けるw
ってな自虐ネタはさておき。
本題です。
タイトルの「かぶり」について。
まぁカメラのことしか書かないですからね〜。
「赤かぶり」とか「緑かぶり」のことかと思われるでしょうけど
さにあらず。
ではひとつ目のかぶり
「イルコかぶり」
肘にレンズ先端を乗せる撮り方。
EOS 1D MkIIIとEF80-200 f2.8Lが重すぎて、劇場撮影の時によくやってました。
「イルコ持ち」とか言うこともあるんでしょ?
あれは2000年代後半だったので、始めたのは多分僕の方が絶対早いんだけど…まぁ何も証明する手立てはないし、最初にこれをみた時は「あー同じ奴がいるんだ」的な?感想でしかなかったのです…が。
その2
最近また彼と知らず知らずのうちにかぶりました。
fpと105mmなんていう、サイズ的にアンバランスな組み合わせは誰もやらないと思ってたのに。
MC-21かましてるとこまで一緒なんて!(僕のはシグマSA→ライカSL)
夜のバックフラッシュが代名詞みたいになってる彼が、シャッター同調速度の極度に遅いfpを使うのはちょっと意外ですが、ここはその知名度にあやかって僕もYoutube投稿したら、「関連オススメ動画」になって少しはアクセス稼げるかしら?(そんな甘くねーよ)
ふたつ目のかぶり
「ゆうこすかぶり」
おっさんがナニとち狂ったこと言ってんだ!とツッコミを入れたあなた?
チッチッチ。
この動画を見てご覧よ?
ん?お前EOS M100使ってたかって?
んなことあるわけないじゃん、遊ぶには楽しいし安いけど買って使うほどでもないカメ…(以下自主規制)
ポイントはカメラではなく、「ストラップ」です。
本編の中で彼女が「ビックカメラで買った」と言っていますよね?
これ恐らくほぼ100%本当のことです(原資がどこから出ているかは別にしてw)。
だって、レンズにはちゃんとプロテクトフィルターがついてる。
この手のミラーレスはフィルターをつけるとレンズキャップとのツライチデザインピッタリ感がなくなるので、もしメーカー支給品ならフィルターはないはずです。
ところが、ビックカメラでレンズやカメラのレンズセットを買うと100%の確率でプロテクトフィルターの購入を勧められますから、「本当に買ったんだ」ということが推測できます。
まあそれはさておき。
そのM100に付いているストラップが、ビックカメラ限定、つまりビックでしか買えないプレミアムレザーストラップなのさ!
何を隠そう、僕は同タイプでレザーと真鍮リング両方の色までお揃いのを持ってますのよ。1/540の確率でかぶってるなんて、すごくないですか?
(実はカスタマイズすると手元に届くまで1ヶ月くらいかかるので、買う人は大体お店にあるタイプから選ぶなんて言えない…あ!)
そんなゆうこす氏。
今年の春に「SONY α7IIIを購入した」と呟かれていました。
なんと極端な宗旨替え!
さすがにM100のように「これすごいいいカメラなんで、周りに宣伝しまくって5台くらい配った」なんて言ったらウソくさすぎになってしまうので、今後の展開に期待です。
だって、少なくともPanasonic GH5とCanon EOS M100とSONY α7IIIが家にあるとしたら、もう立派なこちらのお仲間じゃないですか!!!(いやそれ以上だ、裏山杉)
まぁ実際はねー。
マニアでもなんでもなく、台数分以上の商魂がウヨウヨしてるのでしょうが、令和の日本で「夢を売る商人」は天使の顔をしている、ということでいいのでは?
さて最後、3つめのかぶりについて。
これは後述しますが自戒の意味も込めて
「知ったかぶり」
悪い例に出してごめんなさい
この方のフィルムカメラネタ動画は、視聴数と中身のバランスがどうにも。
わざわざツッコミどころをめっちゃ作っているので、その手を狙っての動画なのかと思ってしまいます。
まず出だしの「フィルムカメラを始めるのに必要なものはなんですか」とよく聞かれます、の答えが「フィルムカメラとフィルムです」って…、禅問答?
また「カメラは一台5000~10000円で買えます」って15~20万円近いCONTAX T3をフリフリしながら語るのも悪気がないならないで、あったらあったでどっちにしてもイヤらしいです。
比較に常に恣意的なものがあるのも問題で、フィルムカメラのランニングコストを語る場面では「デジタルカメラを買えば10万20万する」というのですけど、いやいやフィルムカメラ同様、中古ならレンズ付きで10000円以下でも買えますってば。
他にも「カメラは店頭で買えなかったらネットもある」と言ってキタムラやレモン社のネットショップを出さずヤフオクやメルカリを出すとか、ISO感度で選べと言って「IRO200」「Ektar 100」と書いている(つまり数字はあるがISOとは書いていない)フィルムをアップにしたりとか、とにかく自由演技が激しいのです。
若くしてフィルムカメラ関連情報を発信する心意気や良し、とはいえ肝心の正確性の検証に対してあまり関心がないと見え、各回コメントでツッコミが入っているのにもかかわらず、12月時点のこの動画でもこんな調子なのですよね。
これは想像でしかないので間違っていたら申し訳ないですが「わかる人はわかってくれる」「細かいことを言ってくるのはマニアックなオタクだけ」という思考が自分の正義を疑わせることを邪魔しているのかもしれないですし、あるいは「オレ目線の情報なので、正確性と公平性を担保してない部分はあらかじめご承知を」なのかもしれません。
でもさ、そりゃないぜベイベー。
前出のゆうこす氏の動画には、そんな部分は1ミリ秒もないのですから。
「カメラの詳しいことはわからんが、実写した結果を出す」と言って、撮影中にシャッターを切り、美肌モードが通常より盛れていることを実証する。例えそれがメーカーの欲しい結果への誘導だったとしても、言葉の誤魔化しはないのが一目瞭然なのです。
またイルコ氏にしたって、カメラ比較の際には同じ焦点距離のレンズを使い、出来る限りのイコールコンディションで臨むはず。「デジタルとフィルムのポートレート撮り比べ」と言いつつデジタルが12-24mmと60mmレンズでLr調整、フィルムが90mmレンズでお店スキャンの撮って出し、なんていうウェーイ!的な比較は絶対しないでしょう。
で、だ。
僕も彼と多少の誤差はあるにせよ「知ったかぶり」被りを生じているのだ、という自覚を胸に…今後はこのブログを中心に、フィルム・デジタルを問わずカメラのことを出来る限り丁寧に、そしてラヴ&ピースをモットーに発信していくことにします。
今までほっときすぎましたからね、読者5名の皆様、本当に申し訳ない。
記事へのツッコミは歓迎、訂正やご批判は真摯に受け止め、修正内容も記事化して自分の浅学無知と恥を晒します。
もちろん、経験してきたことだけしか書けないので守備範囲は広くありませんし(例えばダイビングにおすすめのカメラ、と聞かれても答えられない等)、テクニックなどはポートレートに偏るかもしれません。
それでも、誰かにピンポイントで役立つようなブログになれば…ほら、チリツモで数年後にはアルファブロガーとなり広告収入と撮影料と印税とメーカーからの協賛金がガッポガッポと、ね????
なるわけない。
追記:
その4
光源は、その辺の会社の看板。フラッシュじゃなくても、そこにある光を使えばいい。
— BAN'Sポートレート~access~ (@FFS_BANGDOLL) 2019年12月20日
このアイディアや思想も藤里流。
モデル:リンさん(@kisaragi_rinsam)#藤里流#portrait #岡山#xt3 #fujifilm#ポートレート #写真#写真好きな人と繋がりたい #ファインダー越しの私の世界 pic.twitter.com/ZCgfO4pnY2
かぶってるっていうか…
カメラマンなら誰でもやってることじゃないかしら?
「流派」にされてもねえ。
チャンチャン♪
キミがフィルムに恋した刻、買うべきカメラの森に迷いこんだらそこには無限の可能性が広がっていた(ラノベ風長文タイトル)
またまたお久しぶりです。
ちょっと空き時間ができたら文章を書きたくなりました。
さて。
またしてもタイトルでふざけました。
本来はもっとかなり短くできます。
「フィルムカメラを始めるのに、なぜフィルムではなくカメラ選びに迷うのか」
んーこれでも長い。
「最初に買うべきフィルムカメラ」
そう、こんな感じ。
…本当はこんなドヤな「べき」なんて嫌なんですが、初心者ほど“強いお導き”に惹かれてしまうもの(女子の恋愛と似てるか?)らしいから、敢えて強めにアンチテーゼをカマしたいと思います。
では本題。
「フィルムカメラはじめたい」
という話、まだよく聞きます(要出典…wikipediaみたい)。
ぶっちゃけTwitterでも結構見かけますので、出典がなくてもあまり上記に不同意な方はいないはず。
でね?
おじさんはこう思うわけ。
「フィルム写真をはじめたいの?」
それとも
「クラシックフィルムカメラを使いたいの?」
と。
両者は似て非なるものです。
ここからはアンケートを取ったわけでもないので想像でしかないですが、恐らく「はじめたい」と思ったきっかけは十中八九がネットで見かけた
「あんな色合いのステキな写真が撮りたい」
ではないか、と。
色合いと同様、味のあるボケや収差とか、またはコントラストが低くなってフレアも出つつハイキーなイメージの醸し出すふんわりした雰囲気とか、時には光線漏れのようなフィルム焼けや日付の写し込みさえ、何となく「良いもの」に感じたのだと推測します。
「フィルム写真」の作例にはそういうものが実際多いことから、この推測も外してはいないでしょう。
ではなぜ。
そういうイメージが撮りたいのに、肝心のカメラ選びでわざわざPEN EEだのPENTAX SPだのと、操作の難易度が上がるようなクラシックカメラを買うのでしょう?
そこが僕には疑問です。
あ、もう一方の「クラシックなフィルムカメラを使いたい」という動機ならばまだ納得できる部分はありますよ?それでも「最初からそれ?」と首を傾げますが。
カメラの名誉のためにフォローしておきますと、具体名を挙げたPEN EEやPENTAX SPは本当によく売れたカメラですから、悪いカメラなはずはありません。
じゃあなぜ疑問に思うのか。
答えは簡単、クラシック=古いからです。
ちょっと現代の基準で考えてみてください?
露出計がダメになってるか、動いていてもアテにならないデジカメなんて、みなさん買いますか?
固定焦点でシャッタースピードが1/60しかないデジカメを買いますか?
電池室が腐ってたり、そもそもそこに入れる電池がもう世の中にないのでアダプターをつけなきゃならない、絞り込み測光しかなくピントと露出を同時に合わせるのは絶望的というデジカメを買いますか?
海は死にますか?山は死にますか?(あ、あれ?)
PEN EEもPENTAX SPも、今となっては不便極まりないのです。
それでも、このところのフィルムカメラブームが来る前だったら、この2機種はそれこそ完動品を数千円で購入できていたので「お手頃入門カメラ」つまり、いつ手を引いてもいいライトユーザーにもある程度は推奨できましたが、今ではそれぞれ少なくとも一人の諭吉さんとお別れしなければなりません。
だったらさー、
Canon EOS55でよくね?
Nikon μでよくね?
PENTAX MZ-3なんかすごくよくね?
これらAF一眼レフはレンズ込みで数千円、プラスチック製で軽量な上に操作も簡単、それでいてファインダーはデジタル一眼より広くて見やすいのです。
一眼は難しそうっていうなら、オートボーイもエスピオもetc…選び放題。
それなのに古いカメラを買ってしまう理由は主に
それも、いわゆるニコ爺などと揶揄されるような「○○信者」ではなく、若年の「ここ数年フィルムカメラ愛用してます」的なブロガーの一見お洒落なアプローチの方が、より危険で質が悪いように感じます。
兆候はCONTAX T2やT3、Aria、G2が高騰した時からすでにありました。
一眼レフはボディとレンズのセットで撮るもの。にもかかわらず、Ariaだけが10万円近い価格に跳ね上がり、それ以上の性能を持つ(しかも重くない)RXが1万円といういびつな市場は、ツァイス信者でも中国人バイヤーでもなく「あの人がAriaで撮った写真がステキ」という写真SNSで醸成された、なんとなくで形のない「雰囲気」が作り出したものです。
Ariaじゃなきゃ写せない世界なんてないのに…。
それを経て、今。
もはやT2やT3は一般人がおいそれと買えなくなりました。
AriaやG2は中古市場に出る個体すら希少化しました。それなのにヤフオクやメルカリといったCtoCマーケットにはじゃんじゃん出てきます。完動品かどうか分からずノーリターン、うっかり手も出せないグレーな状況に置かれたこれらもやっぱり買えません。
かくしてCONTAXは焼け野原になり、安くてエモい写りを求めてタクマーレンズが注目されはじめ、バケペンが、そしてSPが、いつか来た道へ…。
この流れはフィルムに止まらずなぜか逆流をしだして、α7IIIのような高性能高速AFのデジカメに、わざわざマウントアダプターをつけてタクマーや同じM42マウントの旧ソ連製レンズ(例えばジュピターやインダスター)をつけ、3000万画素の無駄使いをすることまでが流行り出す始末。
だからさ。
写真フィルムの写りが好きなら、まずフィルムを選ぼ?
選択肢はまだまだたくさんある、フジ業務用だけでしか撮らないのは悲しすぎるし、期限切れフィルムは常用しない方がいい。
レンズだって、よっぽど新しいか高級でなければAFレンズでもフレア、ゴースト、コントラスト低下は起きるってば。
安くてお財布に優しいAF一眼レフにこそAFとAEがついてて、露出を気にせず構図に専念できる、すなわち写真の出来栄えも良くなるから!
それと「おすすめフィルムカメラ」を探す手がかりが欲しいなら、SNSの情報を流し込まれたりフォトウォークで洗脳される前に、I.C.S加盟の中古カメラ屋さんに聞いてみ?丁寧に教えてくれるからね。
というお話。
悪いこと言わないから、フィルム写真を始めるならこの辺ちょっと耳を貸してくださると嬉しい。
ちなみに僕はCONTAXのプラ外装(が、大部分)であるAXを愛用してます。
ただ、このブログでも散々「いいよー」って書いてるのに価格高騰の気配なし。
僕の影響力なんて…。
あ〜い、とぅいまてぇ〜ん!
ネットの世界は実に勉強になります。
皆さんのカメラや撮影に関するご意見を目にするたび、僕の未熟さを反省することしきりで、撮影スタイルや、機材を見返しては、日々参考にしています。
ソースは敢えて明かしませんが、こないだも
「ライカを使えないカメラマンは欧州では三流扱い」
との記事を目にし、幾多のライカ使いによる写真の歴史が紡がれてきたヨーロッパの厳しさを知り、自分の至らなさをも痛感しました。
僕なんぞスタートラインに着く前に、まずライカが買えないのですから!
また最近
「RAWであとからなんとかなる前提で撮るカメラマンはどうかと思う」
という個人的な思いをお書きになっていた方もいました。
自らを省みて恥じ入るばかりです。
なけなしのお金をモデルのギャラとスタジオ費に当て、限られた時間内で撮っているためか「ピッチリ露出を合わせたり、最適なピクチャースタイルで撮るなんて無理ゲー」と端から決め込み「あ、これ後でPhotoshop使って仕上げるね」などと平気で言っていたような気がしてなりません。
覚悟のなさを反省…。
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そういえば、定番のご意見として
「イケメンの方がいい写真を撮れる」
もよく目にしますね。
もはや競争前から勝負ついてるのか…だからうまくならない。
そう考えると全く同感です!僕はお世辞にもイケてません(汗)
ベースが問題外なら無理して着飾るより、最低限の清潔感は確保しておくにしても、モデルさんのためにちょっとでも投資したい、と思っていたのが全く無駄だったとは…もしや撮影でお会いするモデルさんを最初の10秒でがっかりさせ続けているのではないか?と、自作を見返す日が少なくありません。
ところが、それが憂いをたたえ儚さを秘めた表情なのか、「チェっ、こいつイケてねえオヤジだな」と落胆している表情なのか、未熟ゆえに判断できないのです…。
おそらく後者なのでしょう、いやはやなんとも。
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また、これもよく見かける
「被写体をエロい目で見るな」
というご意見には、毎回毎回同調コメントも多数寄せられ、相当数の方が腹に据えかねられているご様子。
ああ、本当にごめんなさい、僕は全く罪深いです。
エロスやタナトスがそこはかなく漂う作品を「芸術」と勘違いし、せわしなく撮影しながらもどこかに「ほんのり隠されたいかがわしさや死の匂い」を写真に込められたらと、たまに意識をわざとそちらへ傾けたりしていたのですが…単なる邪念、セクハラでしかなかったのですね。
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外見も内面も否定され、しょぼくれていると更に
「ツァイスレンズは趣味で蘊蓄垂れるオヤジのもの」
というご意見までが目に飛び込む始末。
アイタタタタ…胸も耳も痛い。
今のデジタルカリカリレンズにない「まろ味」に魅了されるあまり、僕はすっかり実態に乏しいヤシコンツァイス神話の虜になっていました。
バカだな。
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そして更に
「単焦点レンズの方がいい写真がとれる」
と言い切られてしまうと、もうどうしていいやら…。
フジ純正レンズは高倍率ズームしか持っていないのです(泣)
人物に、お花に、スナップにと重宝して使っていた我が身の愚かさがどうにも許せません。
なぜ「広角・標準・中望遠・望遠・マクロ」と単焦点で揃えておかなかったのか…いや、便利な生活に慣れきった現代人ゆえの生来の不精が「いい写真」を撮る唯一の道すら閉ざしていたとは。
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トドメの一撃が
「機材はやはり高級な方がいい、金はかけるべき」
「高い機材に頼るなどもってのほか、安い機材で撮れてこそ」
という両極端のご意見。
…わーーー。
どっちでもない僕はどうしたらいいのでしょう!
もう、この言葉で締めくくるしかありません。
「あ〜い、とぅいまてぇ〜ん!」
で・す・よ。
フィルム写真ブームなのになぜ白黒は流行らないのか?の極私的見解
先に言い訳しておきます。
「日本では」
をタイトルの前につけてください。
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Kentmere、Illuford、Kodak、Rollei、Seagull等、ヨーロッパ・アメリカ・中国などではモノクロフィルム環境が健在です。
ところが日本ではすでに製造もしていないし、好奇心旺盛なカメラ女子にもモノクロブームの波は今だに起こらないようです。
なぜか?
「坊やだからさ」
…いつもガンダムフレーズに流れる悪い癖をお許しください。
坊やだから、な訳がない。
では改めて、なぜか?
僕はこれに対し3つの極私的な仮説を立てました。
以下約数分で読み終わりますので、お暇な方はお目通しください。
1. 時間と手間がかかるから
フィルムカメラで写真を撮るのは元々時間も手間も許容すること、のはずですが、おそらくモノクロフィルム現像はその限界点を超えてしまうのだと思われます。
お店にパトローネを出したら1時間後にはスキャンデータになって写真がスマホに…はまず絶対届きません。逆に、場合によっては1週間以上の納期を言われたりします。すると現像から上がる頃にはもう、撮影時の興奮と手応えも消え失せ「あれ?何撮ったっけ?」となりかねない。
いや、自家現像があるじゃないか!と思ったあなた
あまーーーーーーーい!!
ダークバッグに両手突っ込んで、ピッカーでフィルム引き出すだけでリタイヤ続出、リールに巻いてタンクに入れたら温度管理しつつ現像液→定着液→停止液→洗浄→乾燥→カット。と、この工程をすんなり受け入れられる人はそうそういないのが現実です。
2. 難しい(と思われている)から
1にも関わってくることですが、モノクロ写真の情報を調べると難しい用語が続出します。わかればなんということはないものの、サッカーの「オフサイドって何?」と一緒で、難しいルールや用語は壁を高くします。
「バライタって何?」「パンクロって何?」
えーと…フォト検1級の僕ですら、初心者に完全理解できるように説明できるか自信がありません。
腹痛とパンクロックならなんとか。
3. カラーネガとの違いに馴染めないから
最大の要因ではないか?と思うのがここです。
屋外で、ある程度高いISO感度のフィルムを遅いシャッター速度で撮影する…要は「写ルンです」で撮ると、レンズ性能も相まってハイキーで霞んだふんわり写真になります。
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これがウケてフィルムカメラブームに移行したのですから、カメラを使うときも当然その撮影感覚のままです。
今のデジカメと違い、古いカメラは最高SSが1/1000も出ればいい方ですが、背景をぼかしたいこともあって絞りは開放から動かさない、てか動かせない。
そうするとISO400で晴れ間に撮ると何でも白く飛んで…となるはず?いいえ、最近のカラーネガはそれでも粘ってくれちゃう。ふんわり白い中にちゃんと人や花が写って、まるでスマホアプリで加工したかのよう。
ヤバいエモいナウい(一部昭和が紛れ込んだことをお詫びします)映え写真の出来上がり、からのブーム。
え?これがモノクロとどう結びつくかって?
(お帰りなさいませごしゅじ以下略)
あ、間違った。
「明度差」。
カラーであれば色情報が残っているから、明度の差つまりコントラストが低くても画として成立するけれど、モノクロになるとそれがなくなるため、異様に白くて眠い写真になってしまう。その対策でコントラストを立てる方法を知らないから、モノクロフィルムを使いたがらなくなるんじゃないか…という、以上が僕の仮説。
かなりドンピシャな気がするけど
「だから何?」
なので、読者数の全くもって少ないこのブログでだけ発表するね笑
みんなには内緒だよ?
ちなみに、前もちょっと触れましたが。
モノクロ写真復権の救世主がいるとしたら、こいつだと思ってます。
カラーネガと同じC-41現像。
ノー、モー、クラ〜イっ♫
何かが微妙に違いますね失礼しました。
これなら1時間で結果がわかってスマホにも転送可能。
しかもシャープネスも文句ないレベル。
まだ使ったことのないお友達は、騙されたと思って騙されてください。
ではまた。
Flash! あーぁ…
なぜか今急にトレンドに復活したQueen。
奏でるメロディは魔法のように美しいが難解な歌詞の曲も多い&ちょっと正視し難い(時もある)フレディのステージ衣装。映画がよくできてるとはいえ、リアタイじゃない若い人々にこれだけ刺さるのか!と少々驚きが隠せません。
そしたらもしや「フラッシュのテーマ」から派生して映画「Flash Gordon」も再評価されないものでしょうか?
…されないですね多分(汗)
さて、題名はその「フラッシュのテーマ」のOP部分のパロディです。がっかりな感じの「あーぁ」と読んでいただければ。
何でがっかりかというと、話は今年のCP+にまで遡ります。
…僕は昨年X-H1を購入してから、ずっと愛用してきましたしこのカメラは大好きです。でも、それにくっつくストロボはどうもいけません。同梱のは問題外(以前書きましたね)、純正EF-X500もチャージ音、液晶画面、スイッチ類のUI、ロック機構etc.どの部分をとっても不満。
これが2016年発売の最新モデルなのだから…(以下略)
エントリー機から中判までカメラボディを揃え、パンケーキから超望遠、果ては映像用までのレンズラインナップを展開するなら、せめてちょっとはライバルメーカーに迫るくらいのレベルで製品を作って欲しい!そんな愛ゆえの思いを訴えようと、CP+ではデモ機のタッチ&トライやおねーさんの撮影ブースに目もくれず、ストロボの置いてあるコーナーを探しました…が、ない。
本当に、1台も飾ってないっ!
担当の方もいらっしゃらないとのことで、申し訳なく思いつつレンズバーの方にお話をしてみましたが「クリップオンストロボはニッシンを使われてみては」という趣旨の結論にたどり着く始末。
違うのーーーー!!!
ストロボとカメラが別メーカーだったら、TTLで発光させてなんか意図しない結果になった時やHSSが「あれ?変だぞ」みたいになった時、どっちに相談してもわからなくて未解決になったりするじゃん?そのための純正なんだってば…。
愛、破れたり。
がっかりして、次にGRユーザーの僕はリコーのブースへ。
案の定発売直前の「GRIII」が大人気でした。
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でも、フィルム時代も含めて歴代初、内蔵フラッシュのないGRは僕にはなあ…このままではIIが手放せない。
もちろん理解はしてますよ?ボディ内手ぶれ補正が入って液晶もタッチ式になったため、バッテリーのことを思えば仕方ないこと、と。
でも、例えばCONTAX Tのような着脱式とかフジEF-X20のようなアナログダイヤルのミニフラッシュでも良い、バウンスできない直当てので構わないのに…そんなリカバリーデバイスもない。AF201FGつけたらもうミラーレスの方が小さくなっちゃう(泣)。
たまたま旧知の社員さんがいたので聞いてみましたが、近未来での製造プランもないようです。
またもや撃沈。
(ちなみにその方へリクエストしたら「2件目」とのこと…どこかに同志がいるらしい)
これだけデジカメが高感度に強くなったら、出番が少なくなるのは当たり前と言えば当たり前、特にミラーレス専業のメーカーはユーザーの絶対数が見込めないでしょうし開発に消極的なのも理解できます。
「だども、ただの増感アイテムじゃねーべさフラッシュライトは?オラ、もう何買ったらエエかわかんねぐなったー」
という、がっかりな現実を思い知らされたCP+だったのです。
ところが。
それとは好対照に、同じ会場でもストロボのメーカーは「攻めて」いました。
前述のニッシンは各社TTLに対応した大小の電波・赤外線リモートストロボを積極的にリリースしていましたし、発売直前の新型マシンガンストロボは連続発光対応のタフネスっぷりを売りに、これまたデモ展開に余念がありません。
また中国メーカーも躍進著しく、特にGODOXは早くも高級高機能路線へ舵取りを進めていました。多分、早晩国内でのブランド認知も完全に改まるでしょう。いや実はきっと、HASSELBLADがDJI傘下になったタイミングあたりで、中国ブランドを日本の下に見るのは誤りになったのですよ。日本の市場はともかく、ワールドワイドでは着実にそれが進行していると思われます。
というわけで。
ストロボの未来が明るいのか?それとも暗いのか?CP+会場ではさっぱりわからなくなりました。とりあえず、フジ純正に頼っちゃダメなのはわかった(苦笑)。
ところが最近、そのがっかりを打ち消すような事件が起こったのです!
これ。
なんなの?勝手にウネウネと動いて最適なバウンス角度に設定するストロボって。
連邦のモビルスーツは化け物か?(嘘ですMSじゃありません)
今はニコンTTL用しかないけれど…これが量産の暁には連邦など(どっちなんだよ以下略)。
ケンコートキナーからの発売というわけで、もしかしたらこれも中国OEMなのかもです。もうそしたら中国万歳!4000年の歴史に脱帽ですよ。
実際に使ってみたら案外自動ってウザい機能なのかもしれませんし、キャッチライトパネル変な位置に来ちゃうの?などツッコミも多数入れられそうですが、それを補って余りある「夢のあるデバイス」をカメラ分野では久々に見た気分です。
Kenko ストロボ AB600-R N ニコン用 3方向オートバウンス機能搭載 ガイドナンバー60 2.4GHz無線通信機能 単3形乾電池使用
- 出版社/メーカー: ケンコー(Kenko)
- 発売日: 2019/05/24
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「私は自然光派、ストロボは使いません」と仰るカメラマンさんは実際、かなりの割合でストロボテクニックを食わず嫌いで使用していないのではないでしょうか?それはとてももったいないことだと考えます。
これはディスりではなく挑発…でもなく(笑)、ストロボテクニックは奥が深くて楽しいので、ぜひこっちの世界「も」楽しみませんか?というお誘いでありまして、そのキーデバイスとなるストロボ(フラッシュともスピードライトとも言うの、なんででしょうね?同じものなのに面倒くさい!ここでも敢えて呼称を混在させています)が重くて使いづらいと、特に女性ユーザーの裾野が広がらないなあ、と思っていたのですが、こうしてユニークでユーザーフレンドリーな製品が次々と現れることで、もっとその良さが認知されるといいなあ、と思う令和元年の初夏なのでした。
そしたら、あの富士フイルムも考えを改めるのではないかしら。
(結局そこ笑)
※追記
感度を補うデバイスとしてのストロボですから、デジカメのような高感度対応がしにくいフィルムカメラユーザーにも、本来はもっと浸透すべきと考えます。
屋外で絞り開放して完全な露出オーバーをネガのラティチュードに救われてるだけ、の白っぽい写真を撮ってるだけなのに「この色合いが好き」と言っているフィルムカメラ初心者を笑うのは簡単ですが、誰でも最初はそんなもの。ストロボ使えると、フィルムは何倍も面白くなりますよ?って教えてあげたい。
あ、ネガってこんな色も出すんだ!日中シンクロのリバーサルすげぇ!モノクロの陰影コントラストやばい!という発見をしてもらうために存在するのが我々ではないかと。
そうじゃないと、本当にフィルムがなくなっちゃうから…。
富士フイルムの価格改定について思うこと
またまた久々になってしまいました。
ブログは推敲などで時間がかかるため、どうしてもツイッターなどで発信を済ませてしまうことも多く。
放置はいけないのですけどね…反省。
さて本題。
企業からの告知文全文はこちら
写真フィルム 一部製品の価格改定および販売終了のご案内 : お知らせ | 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社
で、ね?
巷間まことしやかに「赤字」「不採算」と書かれたりしますが、ここに「赤字」とは書いていないんですよ。
実際に赤字だからって書くかよ!と言われればそれまでですが、仮に不採算だとしたら、Venus800や防水写ルンですのように販売終了になるはず。
つまり今回の価格改定は、ガリガリ君の値上げと一緒で
「収益率を改善させますのでよろしく」
ということなのだ、と僕は理解します。
それにしても、これぞフジの代名詞と言える「第四の感色層」を持ったフィルムがまた消えるのですね、あらら。
そうなると、カスタマーがフジを使う理由って何でしょう?
中判リバーサルはフジしか作ってないから使うしかない、逆にフジはモノクロフィルムがない、こういう特殊な状態のマーケットは別にして。
よく言われる「あの色が」的なやつ?
…それ、代替できないのでしょうか。
まず、発色はカメラのレンズでも変わる点が一つ。
それともう一つ大きいのが、現代の出力環境です。
今、カラー引伸機でプリントする人はごくごくわずか。ほとんどはスキャナで取り込んでLightroomなどで調整して画面出力(か、プリンターで出力)。Photoshopでスキャン後のtiffにLUT当てたら、コダックでもフジみたいな色にできちゃう時代に、何でそんな都市伝説が…以下略。
あと「フジを応援したい」っていう意見
気持ちはよくわかるけど、ドメスティックなフィルムカメラブームがワールドワイドのマーケットに大きく影響するかは疑問なのですよ。だから、多分応援しても果たして応えてくれるか…以下略。
動物の種も「個体が一定数以下になると血が濃くなって絶滅確定」というのがあるように、国内で製造流通させるメーカーが一社になった(しかもその主力商品ではなくなった)段階で、芸術用途や趣味嗜好品として存続する以外の、写真フィルムの運命は定まってしまったのだと思います。
ああ、言い方逆だ!反感しか買わないやつになっちゃう(笑)
つまりですね、芸術用途や趣味嗜好品としてのフィルムは存続するのですよ。そのための銘柄絞り込みであり、価格改定なのではないのかしら、と。
(APS絶滅は上記に対する需要がほぼなかったから、なのでしょう)
例えば、Appleで一曲ダウンロードするのと、アナログシングルレコード一枚買うのとでは何倍も価格差がありますし、そもそもCD出現以前のドーナツ盤一枚の価格からしたらバカみたいに高い今のシングルだけど、好きな人はそれでも買いますよね?
なくならないんだわ。
フィルムカメラブームで少々国内需要が盛り返したところで、値下げにならないし第四の感色層も復活しない、でも全滅もない。
「応援はほどほどに」でいいんじゃないかと思うのです。
てか、応援するなら価格上がってから買ってあげれば…以下略。
35mmのカラーネガに限れば、まだ選択肢はあります。
その時どきで被写体や感度、時には懐具合などに応じてメーカーや銘柄を柔軟に使い分ける工夫をするいい機会になるんじゃないでしょうか。コダックで言えば、エクターはともかく、ポートラが相対的に「フジと同じくらいの値段」になるのですから、一度使ってみるとかもアリですよ?
マジであんないいフィルム使わないほうが…以下略。
Kodak カラーネガティブフィルム プロフェッショナル用 35mm ポートラ160 36枚 5本パック 6031959
- 出版社/メーカー: コダック
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これは全くの極私的な感想ですが
「今、みんなの愛が試されてるんだ!フィルム愛が。この試練を乗り越えて愛し続けられるか!!」
ってことだよね?と今回に関しては思います。
この前にバッサバッサと銘柄を切り捨てて(12枚撮りもナチュラも、果てはモノクロフィルムまで)絞りこんだ時は、富士フイルム側が生産を続けるための生き残り策だった。
そして今回は逆にカスタマーがふるいにかけられてるんだ、と。
ちなみに僕はリアラエースとトレビとセンシア、アスティアがなくなった段階で振るい落とされました(笑)。
ああ…(2000年台のフィルム環境は本当に良かったなあ)。