カメラはラヴ&ピース!で2022

カメラ博愛主義、レンズ開放主義のブログ

富士フイルムの価格改定について思うこと

またまた久々になってしまいました。

ブログは推敲などで時間がかかるため、どうしてもツイッターなどで発信を済ませてしまうことも多く。

放置はいけないのですけどね…反省。

 

さて本題。

企業からの告知文全文はこちら

写真フィルム 一部製品の価格改定および販売終了のご案内 : お知らせ | 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社

 

で、ね?

巷間まことしやかに「赤字」「不採算」と書かれたりしますが、ここに「赤字」とは書いていないんですよ。

実際に赤字だからって書くかよ!と言われればそれまでですが、仮に不採算だとしたら、Venus800や防水写ルンですのように販売終了になるはず。

つまり今回の価格改定は、ガリガリ君の値上げと一緒で

「収益率を改善させますのでよろしく」

ということなのだ、と僕は理解します。

 

それにしても、これぞフジの代名詞と言える「第四の感色層」を持ったフィルムがまた消えるのですね、あらら。

そうなると、カスタマーがフジを使う理由って何でしょう?

中判リバーサルはフジしか作ってないから使うしかない、逆にフジはモノクロフィルムがない、こういう特殊な状態のマーケットは別にして。

よく言われる「あの色が」的なやつ?

…それ、代替できないのでしょうか。

まず、発色はカメラのレンズでも変わる点が一つ。

それともう一つ大きいのが、現代の出力環境です。

今、カラー引伸機でプリントする人はごくごくわずか。ほとんどはスキャナで取り込んでLightroomなどで調整して画面出力(か、プリンターで出力)。Photoshopでスキャン後のtiffにLUT当てたら、コダックでもフジみたいな色にできちゃう時代に、何でそんな都市伝説が…以下略。

 

あと「フジを応援したい」っていう意見

気持ちはよくわかるけど、ドメスティックなフィルムカメラブームがワールドワイドのマーケットに大きく影響するかは疑問なのですよ。だから、多分応援しても果たして応えてくれるか…以下略。

 

動物の種も「個体が一定数以下になると血が濃くなって絶滅確定」というのがあるように、国内で製造流通させるメーカーが一社になった(しかもその主力商品ではなくなった)段階で、芸術用途や趣味嗜好品として存続する以外の、写真フィルムの運命は定まってしまったのだと思います。

ああ、言い方逆だ!反感しか買わないやつになっちゃう(笑)

つまりですね、芸術用途や趣味嗜好品としてのフィルムは存続するのですよ。そのための銘柄絞り込みであり、価格改定なのではないのかしら、と。

APS絶滅は上記に対する需要がほぼなかったから、なのでしょう)

 

例えば、Appleで一曲ダウンロードするのと、アナログシングルレコード一枚買うのとでは何倍も価格差がありますし、そもそもCD出現以前のドーナツ盤一枚の価格からしたらバカみたいに高い今のシングルだけど、好きな人はそれでも買いますよね?

なくならないんだわ。

フィルムカメラブームで少々国内需要が盛り返したところで、値下げにならないし第四の感色層も復活しない、でも全滅もない。

「応援はほどほどに」でいいんじゃないかと思うのです。

てか、応援するなら価格上がってから買ってあげれば…以下略。

 

35mmのカラーネガに限れば、まだ選択肢はあります。

その時どきで被写体や感度、時には懐具合などに応じてメーカーや銘柄を柔軟に使い分ける工夫をするいい機会になるんじゃないでしょうか。コダックで言えば、エクターはともかく、ポートラが相対的に「フジと同じくらいの値段」になるのですから、一度使ってみるとかもアリですよ?

マジであんないいフィルム使わないほうが…以下略。

 

これは全くの極私的な感想ですが

「今、みんなの愛が試されてるんだ!フィルム愛が。この試練を乗り越えて愛し続けられるか!!」

ってことだよね?と今回に関しては思います。

この前にバッサバッサと銘柄を切り捨てて(12枚撮りもナチュラも、果てはモノクロフィルムまで)絞りこんだ時は、富士フイルム側が生産を続けるための生き残り策だった。

そして今回は逆にカスタマーがふるいにかけられてるんだ、と。

 

ちなみに僕はリアラエースとトレビとセンシア、アスティアがなくなった段階で振るい落とされました(笑)。

ああ…(2000年台のフィルム環境は本当に良かったなあ)。