値上げ
コダックが今月フィルムの価格を改訂したそうですね。
今、僕の手元にあるフィルムカメラはCONTAX T(フラッシュ生きてる!けど、グリップが取れてるジャンク扱い品)だけなので、使用頻度も低く別にイタくはないのですが
「短期間にまた」
という印象はやはりあります。
さて今日の一曲
高田渡さんのズバリ「値上げ」をどうぞ。
赤城乳業のガリガリ君が価格変更になった時のこのCMが、曲を一躍メジャーにしました。
高田渡さん。
坂崎幸之助さんがフォークを語る番組でよく取り上げられますが、平成生まれでご存知の方は少ないかもしれないですね。
ちなみにコダックも、このくらいやってみたら?
実際やったら「CMにお金使うくらいなら上げるな!」と炎上しそう。
さて本題。
今回の価格改訂は世界規模なんだけど、なかでも日本はアップ率が高いらしい。
(「らしい」とかですみません、二次情報しかネットにもなく。エビデンス探したら貼っておきます)
憤ったり落ち込む気持ちはわからんでもないですけど、別に暴利を貪る感じでもないんじゃないでしょうか。フィルムだけ売っていればいいのと違って、フジとコダックは現像のサプライチェーンを持ってるわけで、これを維持する費用も込みだと思うとなんとなく、2社のここ数度にわたる改訂も致し方ない気がするのです。
だって…。
「期限切れ」は品質の劣化くらいで済むとしても、どこぞの国で作ったかわからん雑多なフィルム(ロシア東欧圏、中国など)が多数輸入されて現像に回されている現状(ニセコダックフィルムもあったわねえ)を鑑みると、需要が少ないのに異質のフィルムが混じるせいで現像液等の交換は頻繁に行わなくてはならず、それを現像プリント費用だけで回収するのには限界があるように思うのです。
しかも
プリントしないCDにも焼かない、ネットでデータだけよこせ
だったらどこで儲けを出すのか。
つまりは、
フィルム需要の低下→値上げ→現像環境の悪化→値上げ→更なるフィルム需要の低下…
という、デススパイラルに陥っている。
「安いフィルムを使いたい」という消費者の行動も、結果としてその一端を担ってしまっていることを、いよいよ深刻に意識すべき時期なのかもしれません。
高いのは承知してるけど
ポートラはいいよ〜?
エクターの発色なんて、デジカメ撮って出しよりいい結果の時もあるし。
何よりエクタクローム復活がいいよね。
まあ、世に云うSNS上での「フィルムっぽい」という名のオーバー露出、アンダー露出写真を撮るだけなら上記フィルムは一切必要ないので、今後もデススパイラルは続くと思いますが…そうなったらフィルムカメラブームは去り、中古フィルムカメラも昔みたいに安くなって、僕みたいなカメラ好きにはたまらん未来が待ってるのですから、このままでいいかとも思ったりします。
朝ドラ「エール」の吉岡秀隆さんのセリフみたいに
「どん底まで落ちたら」光が見える、か?
その前にフィルム写真のサプライチェーンがなくなるな笑、自家現像だな。
それともうひとつ。
フィルム写真は化学薬品を使用します。
「トラウデン直美叩き」というあらぬ方向へ飛び火したこのニュース、よっぽど皆様たまっていらっしゃるのね…はさて置き、どうしてもフィルム現像や印画紙への焼き付けの過程で排出される有害物質が少量でもある以上、デジタルと比べ環境配慮という点で劣ってしまうことが否めません。現代社会にマッチさせるには、今までそれほどかからなかった費用までが嵩み、やはりコスト高になってしまう、ということも認識しておくべきなのでしょう。
だから。
フィルム写真やめるんなら今だよ、みんな!
デジタルへ移行、DXだ!!
そんで、大人の趣味人だけが残ってくれればいいよ…。
もうね、中古カメラ店の人も言ってたよ?
CONTAXのカメラに「この新品ありますか?」と真顔で聞かれたとか。
フィルターをジャンクで売ったら「傷がついてたから返品したい」と電話がきたとか。
初心者が悪いってんじゃないのよ、マナーの問題。
僕もごくたまにカメラ屋さんで遭遇するんですけど、あまり店員さんがいないのに「初心者」っていって一から操作(そのカメラ固有の操作ではなく、一般的なものね)を説明させる若い人。気持ちはわかるけど、予習しとこうよ?
他のお客さんへの接客機会が削がれるじゃないですか。
しかも複数で来店してキャッキャして、結局買うの買わないの?的な。
(これは取材と宣伝も兼ねてるのでお店に事前承諾を得ていると思いますが、さてお客さんにまでは…?)
それと。
ビックの新品と違うんでマップの中古で値切ろうとするのもやめて。
というわけで、結論:
フィルムメーカーも別段「フィルムカメラブーム」で潤ってはいないと思います。
値上げもやむを得ぬ
値上げにふみ切ろう♪