カメラはラヴ&ピース!で2022

カメラ博愛主義、レンズ開放主義のブログ

CONTAX AXって、やっぱりいいカメラ!

僕の結論は、表題の通りです。

でなきゃこうして再び購入したりしません。

 

実写サンプル

モデル:米倉れいなさん※1

Reina Yonekura

LENS:Planar50mmF1.4 AEJ / FILM:ILFORD XP2 SUPER400
イルフォード XP2 スーパー 135 36枚撮り

イルフォード XP2 スーパー 135 36枚撮り

 

 

Reina Yonekura

LENS:Distagon35mmF1.4 AEG / FILM:FUJI SUPERIA PREMIUM400

 

一段くらい絞ればいいものを、これもテストと思って開放で撮っています。

AFの精度はこんな感じ。悪くないでしょ?

適度なコントラストさえあれば合わせたいところに合うのです。

 

モデル:キム・へジンさん※2

Kim Hyejin

LENS:Planar 50mmF1.4 AEJ / FILM:FUJI PROVIA100F

 

Kim Hyejin

LENS:Planar 50mmF1.4 AEJ / FILM:FUJI PROVIA100F

 
こっちもF1.4とF2くらい。

発色はレンズとフィルムの関係で決まるため、カメラの性能は関係ないですが、露出がこちらの意図通りに決まるのは露出計の精度のおかげ。

どちらの場合も絞り優先AEなので、AEも褒められていいレベルです。

(ちょっとDXごまかしたり、ポジは減感をしたりして調整しています※3)

 

僕は、例えばマミヤRB67※4みたいに巻き上げや内蔵露出計どころかクイックリターンミラー※5もなく「全てマニュアルで設定して撮ります」のカメラも好物です。

ですが、撮影のための準備時間が少ない時の対応や、撮影した写真のアタリ打率を考えると、アシスト機能が多いに越したことはないことも承知していて、AXはそれに応えてくれるいいカメラだと思っています。

決して山登りに連れて行けるヤツじゃないですが…そこはそれ。

 

もちろん、コンタックスですから弱点は多いですよ(笑)※6。

電気系の故障、ガバナー鳴き、ミラーずれ、視度補正ダイヤルが壊れやすいなど、挙げれば色々なのですが、丁寧に使ってあげることと定期的なメンテナンス、そして何より「状態のいい中古を買う」ことでかなり回避できます。

 

というわけで、僕のCONTAX AXについての評はここまで。

次回からは、3月に購入して約3ヶ月経ったX-H1、使ってみてわかったことを書いてみようと思います。

(だって、このブログに来られた方の検索ワード「X-H1」がほとんどなんです笑)

 

<注釈>

※1 ベルマーレクイーンを務める健康的で笑顔のチャーミングな方…あ、こういう注釈は不要ですかね(笑)

イルフォードのXP2SUPERはカラーネガと同じC-41現像(お店で普通に頼む現像方式)なので、1時間以内に仕上がるスグレモノだと個人的に思っています。富士フイルムがモノクロ製品の製造販売をやめても、少なくともコンシューマー向けであればこういう製品で穴は埋まります。

ISO感度も中庸で使用場面を選ばないし、ご覧の通りシャープネスも十分。なので「カメラ女子」にはもっと使って欲しいフィルムですね。

自家現像やらない派なら覚えておいて損はないです。

※2 日本の大学を出て日本語が堪能な才媛のはずなのに、時々とぼけるスキルまで持ち合わせる美女…しつこいですね(笑)

リバーサルフィルムは軟調のもの(ASTIAなど)がなくなってしまったので、ポートレート撮影の際はPROVIAの設定感度を低くして撮影した上で減感…などという小細工をしています。でも上がりを見れば、ネガともデジカメとも違ってちょっと感動する画が手に入るのですよ。安いコンパクトに入れるのは不安でも、普通の一眼レフなら案外バッチリ撮れるので、もっと使って欲しいフィルムです…特に、カメラ女子?(だって、そこが今のフィルム消費のボリュームゾーンですものね)

AriaとかT3に入れて撮ってみて〜!

※3 DXコードとは、フィルムのパトローネ(外側の金属覆い)に黒と無地で描かれている幾何学模様のこと。物凄く粗く情報量の少ない元祖バーコードです。

今回これを自動ではなく手動設定にして、露出補正ダイヤルを動かさずにオーバー露出させた、ということなんですが…カラーネガではほぼ使わないテクニックです(笑)

また減感とは、現像時間を設定より短くするテクニックで、対になる言葉に「増感」があります。一般的に増感→硬調、減感→軟調になるのですが…これもカラーネガではやらないので、頭の片隅にでも置いといてください(笑)

 

※4 昔の写真館では普通にあった中判カメラ。マミヤは戦後間もなくからの老舗メーカーで、警察用ピストル型カメラ(どうやら安保デモのメンバー撮影に使ったらしい)などユニークな機種も生産していたのですが、今はフェーズワンという中判デジタルカメラのメーカーに吸収されています。

RB67シリーズは電池要らずで撮れ、シャッターチャージとフィルムチャージが別、しかもシャッター後にミラーを戻すのも手動という究極のフルマニュアル。

カメラの作法を一から学べる教材として、これに勝るものはないと思います。

(全部やらないとシャッターが切れない機械連動機構は素晴らしい!の一言です)

ただ、これほどの機械カメラでありながら(シャッターはSEIKO製)オートのカメラを馬鹿にする向きに使わせると泣いて喜ぶか?というとそうでもないのが彼らの不思議なところ(笑)

※5 世界で最初の一眼レフは、上記RB67のようにシャッターを切ったらミラーが上がってファインダーが真っ暗になる→ミラーを戻す、という手間がありました。

それを今の形に進化させたのは旭光学(現リコーイメージング)。今のフラッグシップデジタル一眼レフは1秒間にミラーボックスのあの鏡が14回も行ったり来たりするんだそうで…すごい。

※6 特にミラーずれと液晶漏れは、ほぼ全部の機種に起きるコンタックスの宿痾です。

CONTAX AXっていいカメラ? その4

CONTAX AXの特徴4

 高級機&高機能

意外と知られていないことですが、AXは「高級機」です。

丸窓ファインダーにはきちんとアイピースシャッター※1がついています。

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SSダイヤルには1/4000までしか刻まれていませんが、絞り優先AEにすると1/6000までの高速シャッターが使えます

他のメーカーでこの仕様を全て満たしている機種※2をみれば、その立ち位置がよくわかるというものです。

 

また、オプションが豊富。

ストロボ接点がコンタックス最多の5接点※3なので、純正最高級ストロボTLA360がフルスペックになりますし、外部電源P-8※4が使えるので寒さにも強い、裏蓋をデータバッグD-8に換装すればコマ間に撮影データが写せる、といった具合です。

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他にちょっとした機能としては、フィルム巻き上げ時にベロ出し※5状態にしてくれるモードがあったり、オートブラケット撮影※6や多重露光が簡単にできたり、中央部重点測光スポット測光※7が選べたり、この頃の機種にしては珍しく連写スピードが二段階だったり…果てはコンティニュアスAF※8も(追従性はものすごく低いけど)搭載しています。

 

CONTAX AXの特徴5

 重量

実際問題、35mmフィルム一眼レフとして例のない重量は撮影者の負担になります。

ニコンF6※9の975gに対して、AXは1080g。

D850(バッテリーとXQDカード込)が1005gですから、重量級のデジタル一眼にも勝る重さです。「特徴」のマイナス面はほぼここに集約されるでしょう。

ただ不思議なもので、例えばプラナー85mmF1.4やディスタゴン35mmF1.4をつけて使った時に、安定感を一番感じたのはAXがボディの時なのです。

ヤシコンのレンズはMFなのに重い代物※10がほとんどであるため、ボディとの重量バランスが取れない感覚が拭えない(レンズを持っているように思える)のが、AXだとカメラ全体でホールディングできるのです。

もちろん個人の感想ですが、結果、手ブレも少ないように思います。

グリップの下にバッテリー収納部の蓋があり、それが小指をかけるところにもなっているといった※11設計の妙もあって、言葉では伝えにくいホールドの良さを感じます…が、それはそれ。AXと35、50、85をバッグに入れただけで2kg超えですからね。

女子人気がないのも納得です。

 

さて、能書きはこのくらいで終わりにして次回は実写レポを書きます。

お楽しみに。

 

<注釈>

※1 風景写真などを撮影する時、アイピースから目を離してリモートレリーズでシャッターを切りますが、一眼レフの構造上アイピースからも光が差し込むと(というわけで、ミラーレスでは起こらない現象です)、レンズからの光の量にそれをプラスしてカメラが露出の判断をしてしまいます。

そういう「なんかちょっと思ったより露出アンダー」な写真になるのを防ぐため、アイピースからの光を遮るシャッターがアイピースシャッターです。

現在一部高級機を除くとアイピースシャッター自体は絶滅状態ですが、シリコンゴム製のアイピースキャップが代用品としてあります。

Nikon アイピースキャップ DK-26

Nikon アイピースキャップ DK-26

 

※2 丸窓が高級機の証であるニコンデジタル一眼レフは、D800シリーズかD一桁がそれに相当します。

※3 RTSIIIでさえ3接点(マニュアルが基本だから、というのもありますが)。

※4 AXは普通2CR5という電池を入れますが、P-8という単3電池4本を束にした電源をソケットに挿しても作動します。寒冷地などではこのP-8部分のみを温めて、バッテリー出力の低下を防ぐことができます。

※5 自家現像(お店に出さず自分で現像すること)の場合、巻き上げでパトローネにフィルムを全て巻き込んでしまうと、取り出しが難しくなります。自動巻き上げカメラの場合はほとんどの場合全部巻ききってしまうのですが、AXは少しだけ出しておいてくれるように設定できるので、自家現像派想いのカメラといえます。

※6 リバーサルフィルムを使用するなどで「ここは露出を外せない」という場合、3段階で「設定露出」→「若干プラス露出」→「若干マイナス露出」を撮って保険をかけるのです。フルマニュアル機では、自分でダイヤルを操作して3枚撮らないといけないですが、このカメラの時代からは自動でもできるようになりました。

「設定露出」→「若干プラス」→「もっとプラス」

「設定露出」→「若干マイナス」→「もっとマイナス」

という撮り方もあります。

※7 フレーム全体の明るさの平均値をみて露出を判断するのが「評価測光(平均測光)」で、これが一般的ですが、例えば「周囲の景色は飛んでもいいから逆光の真ん中にいる人物の顔の方に適正な露出を」といった場合、フレームの真ん中あたり数%だけの測光値で露出を決定するモード「中央部重点測光」を使います。

スポット測光」はもっと過激で、ほぼ真ん中ピンポイントの測光値で露出を決めます。色合いでも測光値が変わるため、「花」の中の「この花びら」で露出を決めたい場合などに使います。

※8 動いている物体に応じてピント位置も随時変えていくオートフォーカス方式。

未来予測ができないと難しいため、少し前までは上下左右に一定スピードで動くならともかく、ジグザグに動いたり前後に動くものに対してはフォーカスを外しまくっていたのですが、コンピューターの進歩でがっつり合わせてくるようになりました。当然、AXの頃のコンティニュアスAFはアンポンタンです(笑)し、ボディ全体でピント合わせをするため動作的にも追従が難しいのです。

※9 そろそろプロも仕事カメラがデジタル一眼レフに切り替わったよね〜な2004年、突如現れた、現在までのところ国内最後の35mmフィルム一眼レフ。

これとFM10、キヤノンEOS-1Vの3機種が、新品で買える日本メーカーの一眼レフの全てでしたが、キヤノンはそろそろ終了とのこと…。

Nikon 一眼レフカメラ F6

Nikon 一眼レフカメラ F6

 
Nikon 一眼レフカメラ FM10 ボディー

Nikon 一眼レフカメラ FM10 ボディー

 
Canon EOS-1V ボディ

Canon EOS-1V ボディ

 

※10 テッサー45mmF2.8MMJのような例外もあります。

※11 最近、SONYα9用に純正の小指かけが発売されたそうですが、大きいカメラを使っていて、右手小指の位置に何か取っ掛かりがあるだけで安定感が段違いなのは、昔も今も変わらないのだと思いました。

 

CONTAX AXっていいカメラ? その3

CONTAX AXの特徴2

 マクロモードがボディに搭載されている

 

一般的にマクロ撮影をする場合

マクロレンズを使う

・マクロ機能のあるレンズを使う※1 

・クローズアップフィルターを使う※2

・接写リングを使う※3

・リバースリングで広角レンズを逆に装着する(一般的か?)※4 

と、全てレンズ側で接写への対応をさせるのですが、AXにはなんとボディに「MACRO」というモードがあるのです!

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理屈は割と簡単、オートフォーカス機構の応用でフィルム面をバックさせるだけ。

無限遠ではピントが合わなくなりますが、マクロレンズ以外でも結果は一緒なので不便には感じません。逆にレンズに余計な「〜リング」などをつけなくてよいため、手間もありません。

ですが効果は絶大、最短撮影距離約1mのプラナー85mmF1.4でも、約半分の50cmくらいまで寄れてしまう。このままお花を綺麗に撮ってもいいですし、せっかくプラナーなので女性の目元のアップでもいいんじゃね?となります。

コンタックスのマクロプラナーはシャープな描写をする代償として、こういう写真を撮ろうとすると「写り過ぎる」傾向にあるため、僕にとってはこのマクロ機能が役に立つのです。

 

ちなみに。

僕はずーーーーっと前から「5軸ボディ内手ぶれ補正」を搭載したデジカメにはこれが可能なんじゃないかと思っています。

どっかのメーカーで実現しないものでしょうか?※5

 

 

CONTAX AXの特徴3

 フェザータッチじゃないことの良さ

 

突然ですがみなさん、親指AFしてますか?

…8割以上はしてないし、そのうち半分以上は「親指でAFってなに?」ですよね。

一般的にAFっていったら、シャッターボタンを半押ししてピント合わせを開始、合焦したら押し込みという手順をとると思います。

親指AF、便利なのになっ。

それは注釈で説明する※6として、AXも方式は同じ。

半押ししてピント合わせ、合ったらそのまま押し込むとシャッターが切れる、です。

 

これがいい。

 

…意味わかんないですねすみません、ご説明します。

ドイツで休眠状態だったコンタックスブランド※7が、1975年に日本のヤシカで復活した時最初に発売されたカメラは「RTS」という名前でした。

これ、Real Time Systemの略です。

シャッターチャンスを感じた人間がシャッターボタンを押して、実際にシャッターが切れるまでのタイムラグをできる限り短くするため、当初から電子式シャッターを導入した※8上に「ボタンストロークが軽くてとても短い」というのが、コンタックスカメラのコンセプトとなり、これ以後も貫かれました(一部例外あり)。

これはこれで大変素晴らしいのですがそうなると、デジカメ出身の僕が不用意にRTSで撮ろうとしてシャッターボタンに指を乗せた瞬間

「あ」

「カシャ」…。

ごくたまにですが、こんなことも起きてしまいます。

ほら、νガンダムのフィンファンネルがアムロの意思に敏感に反応しすぎて※9…わかりにく過ぎる例えなので無視してください(笑)

現在「フェザータッチシャッター」を売りにしている富士フイルムX-H1の40数年も前に、同様のシャッターは存在していたのですね。

AXはその点、今の二段階ボタンと同じ感覚で押せるため、安心です。

しかも、現代の最上級機を除くデジタル一眼レフと違ってシャッターボタンの感触がグニュっとしていないので※10、フィーリングも良く撮り味が小気味いいのです。

 

今回は2つ書いてしまいましたが、まだ特徴はあるので次回もお楽しみに。

 

<注釈>

※1 レンズ名の末尾に「MACRO」と書いているものが該当します。

※2 プロテクトフィルターと同様レンズの前に、フィルターレンズを一枚ねじ込んでつけます。一般的にNo.1〜No.3まで販売されていて、数字が大きいほど倍率が高くなり、ピントの合う範囲が狭くなります。

※3 クローズアップフィルターと逆に、レンズの後ろにつける筒状のものです。

※4 実はレンズを前後逆さまにしてカメラへ装着すると、接写が可能になります。絞りをボディで制御するようになったAF全盛時代にほぼ絶滅した技術です。

※5 これって意外に誰からも気づかれないテクノロジーなのでは?極楽堂WEBサイトに「クローズアップの部屋」がありますが、実はそこでも取り上げられていないのです。

※6 中級以上の一眼レフには右手親指を乗せる位置にAFボタンがあります。シャッターを半押しすると測光もピントもやり直してしまうため、それらをFIXしておきたい時や、逆にシャッターはシャッター機能だけにして、フォーカス・測光ボタンを独立させたい時に使用します(もちろんAXにもあります)。

※7 旧Contaxブランドについて詳しくは割愛しますが、ライカと並ぶカメラメーカーであり、レンズ・カメラともに先進性が高く、ニコンSシステムのパクリ元…じゃなかった、いいお手本でした。戦争でツァイスがパックリ東西に分割されなければ歴史は変わったかもしれません。

※8 ヤシカというブランド自体は今香港で存在していますが別会社。旧ヤシカは「ヤシカエレクトロ」など電子制御カメラの製造に長けていて、それが協業の決め手になったとか。このヤシカが京セラに吸収合併されてコンタックスはさらにとんがった…じゃなかった、優れた技術を手に入れることになりました。実は旭光学(PENTAX)と組む話も進んでいたらしく、その名残を所々で見つけると、カメラのIFの歴史が楽しめます。

※9 「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」より。みんな、試運転はちゃんとしようね(byオクトーバー・サラン)。

※10 Canon EOS6Dのシャッターボタンはユルかったなぁ。

CONTAX AXっていいカメラ? その2

CONTAX AXの特徴1

 Y/Cマウントレンズがオートフォーカスで使える

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コンタックスブランドの魅力は、なんといっても「レンズ」です。

凡庸なスペックの玉でさえ、驚くような写真が撮れたりします。

例えばT2のレンズは「38mmF2.8」で、最短撮影距離は70cm。

これといって特色のない…というより逆に、寄れないし広がりもない、どうにも困ったちゃんですが、36枚撮りのフィルムの中でもほんの数枚「おおっ!」て写りのカットがあるから余計に困っちゃう(笑)。

ブームのせいもあるけど、写りが良くなければ人気※1にはならないですよね。

 

そんなコンタックスレンズがオートフォーカス(以下AFと略)で使える贅沢!

数多あるフィルム一眼レフの中で、途中に何も介さずツァイスレンズを装着するだけでAFできるカメラは、僕の知る限り以下のものしかありません※2。

CONTAX AX

CONTAX N1/ NX

CONTAX 645

・MINOLTA α9(SSM対応)←マウントと機構的にはAFするはずですが未確認

Nと645の各マウントはレンズの種類が少ないため、もうこれだけでAXの魅力の大半は語れてしまいます。

さらに!

Y/CマウントならAFするということは、ヤシカブランドのレンズ群※3はもちろん、タムロン90mmF2.5マクロにアダプトール2※4をつけたり、星の数ほどあるM42マウントレンズ※5にマウントアダプターをつけたりすればAFで使えてしまう。

なんということでしょう、こんな魔法のカメラがAriaの半額以下※6で買えるなんて(笑)

 

さて、そのAFですが…早い話が、速くない。

ちょっと前のミラーレスカメラくらい※7。

最後に微調整をし始めるとかなりもたつきます。

でも、慣れない人が手動でピント合わせするよりも絶対速いのは確か。

もっと言えば、今のニコンデジタル一眼レフをライブビューにしてAFさせる※8よりもずっと速いです。あれが我慢できるなら全然問題なし。

 

暗いところやコントラストのないところで迷う感じもミラーレスっぽいですね。

 

それでもミラーレスにありがちな「抜け」※9が案外ありません。

また、AF作動音は他社の同時期の一眼レフと比べて圧倒的に静か。

AF機構が全然違うとはいえ、さすが京セラと感心します。

ここらへんは、興味があったらぜひ一度手にとって試してみてください。

中古カメラ店で実際にレンズをつけて動作確認すると、自分の感覚に合うかどうかわかりますよ。

 

というわけで、オートフォーカスの話はひとまずここまでにして。

次回はマクロモードを中心に書きます。

 

<注釈>

※1 今の価格はちょっとバブルすぎ。

※2 Gシリーズは一眼レフでないので割愛しました。

※3 京セラはカメラをコンタックスヤシカ、京セラの3ブランドで作っていました。

 現代の「リコーがリコーとペンタックスのカメラを作っている」のと似ています。

 ヤシカ、京セラそれぞれに一眼レフがありますが、京セラは独自マウントのAF一眼レフなので互換性がなく(京セラボディにコンタックスレンズをつけるアダプターはあった)ツァイスレンズもありません。

※4 タムロンは昔、レンズ本体にカメラメーカー各社のマウント部を合体させる形式をとっていました。AF機構のない時代はそれが可能だったのです。「アダプトール」というマウント部だけ付け替えれば、キヤノン用レンズを買ってもニコンコンタックス用として使えるのです。現代のシグマにも同じようなサービスがありますが、工場に送らないといけないので手間のかかり方は大きく違います。

※5 みなさんご存知ペンタックスSPなどで使われているスクリューマウント。機構が簡単なので東西ドイツや東欧、ソ連などで多くの種類のレンズが生産されました。「プラクチカマウント」とも言う…ってモノの本に書いていますが、その言い方をした人を見たことがありません(笑)。

※6 やっぱりこれもバブル。いいカメラですが…。

※7 EOS M初代よりAXの方が速いのではないかと(個人の感想です)。

※8 いつ改良するのでしょう?あのスピードだとエントリー機にバリアングル液晶を搭載する意味が無くなります。

※9 人物を撮ろうとしてAFでピント合わせをした時に、うしろの背景に大きくピントがずれてしまうこと。タッチAFの出現で激減しました。

CONTAX AXっていいカメラ? その1

僕の愛機であるフィルム一眼レフカメラ

コンタックスAXの特徴について、ここから何回かに分けて書きます。

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今回はそのプロローグです。

 

30代も後半になってからカメラに興味を持ち出した僕。

わずか2年くらいの間にキヤノンのEOS30Dから始まって1DmkIII、そして「カメラで映画みたいな動画が撮れる!」と5DmkIIに買い替え、マウントアダプターを介してコンタックスのレンズをつけて撮るという、まさにデジカメによる沼への転落の人生を歩んでいました。

プラナー85mmF1.4MMG※1

プラナー50mmF1.4MMJ

ディスタゴン35mmF1.4MMG

今だったら手が届かない組み合わせですが、当時はコンタックスブランド廃業直後でそれほど高価でもなく、それ以外にも

ディスタゴン25mmF2.8、ディスタゴン28mmf2.8、テッサー45mmF2.8、マクロプラナー60mmF2.8、ゾナー135mmF2.8、ゾナー180mmF2.8、バリオゾナー80-200F4、バリオゾナー70-210mmF3.5、バリオゾナー35-70mmF3.4などを、取っかえ引っかえしていました。

 

そうなると、カメラ本体にも興味が湧いてくるというものです。

中でも「マニュアルのレンズでオートフォーカスできます」という、嘘みたいなことが書いてあるAXには大変興味をそそられました。

そしてある日、新宿の中古カメラ店で見つけたAXが「ガバナー鳴きします」※2という理由で2万円ちょいで売られているのを発見してしまい、D-8付※3のそれを買ったのです。

 

鳴きは、まだ当時メンテをしてくれていた原宿の京セラへ持ち込んで解消、20000番台※4のその個体はとても快調に動作して、僕のフィルムカメラライフを支えてくれましたし、その後RTS、RTSII、 RTSIII、T3、TiX、TVS2、TVS3、G2、TVS Digital、645※5まで購入するきっかけを与えてくれました。

これはある意味「転落を加速させてくれた」とも言えます(笑)。

 

さて。

そこから10年近くの時を経て、一旦はやめていたフィルムカメラ撮影を訳あって再開するにあたり、何を買おうかと考えた時に上記の、またそれ以外の色々なカメラが思い浮かびましたが、結局買ったのはAXでした。

これからの回で、その理由を挙げていきます。

多分それは、他のカメラに対してAXが持つアドバンテージでもありますので、購入を考える方の参考にもなると思います。

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あのコンタックス専門店極楽堂※6の副店長さんでさえ積極的には薦めないカメラですが、「大きくて無骨なカメラでもいい写真が撮れるなら欲しい」という人がもしいれば、ぜひ入手してみてください。

 

次回に続く

 

注釈

※1 コンタックスのレンズには焦点距離、明るさの他に、銘柄とアルファベット3文字がついています。

プラナーゾナー/ディスタゴン/テッサー/ホロゴン/ミロター/ムターなど

レンズ構成の違いで分けられることが多いです。

MMG「Multi ModeができるGermany(ドイツ統一前の製造だとWest Germany)製」

マルチモードとはシャッタースピード優先、絞り優先、完全自動プログラム各モードの自動露出ができるという意味です

MMJMulti ModeができるJapan製」

AEG「Automtic Exposure(絞り優先自動露出)ができるGermany製」

AEJ「Automtic ExposureができるJapan製」

 

※2 ガバナー鳴きとは、レンズの絞りをプレビューするボタンを押したり、撮影したりして絞り羽根を動かすと「ピヨッ」と音がすることを「鳴く」と表現したものです。

正常時は「鳴き」ません。

これはカメラ側の絞り操作部分の潤滑不良が原因なので、すぐに故障するわけではないですが、全体にグリスが劣化していないかの確認とメンテを行うべき目安になります。

 

※3 D-8とは、このカメラ専用のデータバックのことです。

コンパクトカメラなどでも一般的な日付も焼けますが、フィルムのコマ間(または最初の2コマ分)に撮影時のシャッタースピードと絞り値を焼き付けてくれるので、後から「露出はコレだと足らないんだ」といった振り返りが可能です。

インターバルタイマー機能もあるらしいですが…僕はやったことないです。

また、カメラの背の部分で圧版を兼ねていますから、オートフォーカス時に前後するのが見えて「あ、ちゃんとフォーカスやってる」というちょっと楽しみも個人的にはあって、AXには必須アイテムにしています。

 

※4 20000番台…AXは量産ロットによってオートフォーカスの精度に差がある、と言われてきました。後の方になればなるほど良い(密かに改良されたと思われる)そうで、後ろの左肩部分に書かれている番号が20000を超えているものが一番精度が良いらしいのです…が。

2018年の今、市場のAXのほとんどは程度の差こそあれメンテを経ているため、この常識が通じるかどうかはわかりません。

 

※5 コンタックスには4つのレンズマウントがあります(旧Contax除く)。

・Y/Cマウント

・Nマウント

・Gマウント

・645マウント

N、G、645は最初からオートフォーカスしますが(しないレンズもあります)、最もポピュラーなY/Cマウントレンズを装着するだけでオートフォーカスできるカメラはAXのみです。

その他に35mmフィルムやAPSフィルムを使用するコンパクトカメラ、デジタルカメラがあります。

 

※6 日本広しと言えども、コンタックスという「もうなくなっちゃった」メーカーのカメラとレンズのみを扱うお店は東京新宿のはずれにある極楽堂のみです(お隣に他メーカーのカメラ・レンズを扱う系列の中古カメラ屋さんもありますが)。

オーナー=店長である一般の中古カメラ店と違い、スタジオマン出身の若い女性を店長に据えた大胆人事(笑)、メカ的なことは副店長が詳しかったのですが…10年の歳月を経て店長も結婚・出産・育児をされながら店に立ち続け、カメラにもとても詳しくなられました。

 

副店長はRXなどの方がコスパも良く、可動部の多いAXの故障確率を考えるとオススメしづらいそうなのですが、僕がAXを欲しい理由を聞いて「じゃあ、それしかない」と言ってくれましたので、要は使い道ということでしょう。

CP+に行きました 完結編

CP+編は今回で最後です。

 

この日行きたかったところ…

実はパシフィコではありませんでした。

お隣のホテルの一角、それもちょっと階を上がったところにある「プロ向け動画エリア」だったのです。

週末はクローズしてしまうため、わざわざ平日に行ったのはこのためでして。

去年まではパシフィコの中でやっていたのに

ひどい扱いじゃない?人来なくない?

とブースの企業の方にお聞きしたところ

(そんなこと聞く方も聞く方ですがw)

「ちゃんと見たい人だけが来るようになった&出展費用が若干安くなった」

とのことで、逆に良い反応が。

なーるほど。

 

で。

すごかったですよー。

家電量販店では絶対にお目にかかれない4Kカメラがどどーん!

SONYだ!Canonだ!Panasonicだ!Blackmagicだ!

それにくっつくATOMOSだ!フジやシグマのシネレンズだ!

とまあ、さほど広くないスペースに対して高級機材の密度がすごかったんですが、その辺はスルーさせていただきまして。

(だって買えないし)

個人的に気になったアイテムをちょっとご紹介

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TASCAM タスカム / DR-10L ピンマイクレコーダー

リニアPCMレコーダーの小型化が目覚ましい。

左はマイクに直接くっつけるタイプ、右はワイヤレスマイクより小さいピンマイクタイプ。

テレビで記者がテープレコーダーを肩から下げて、有線マイクでインタビューしていた頃とは全く違う世界になったかのようですね。

そこまで遡らなくても、SONYが10年ちょっと前に出したPCMレコーダーの軽さと音質に感心したのが、まるで遠い昔のことのよう。

 

次は地味ながら「お!」と思ったもの

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防水耐衝撃の上に、曲げられるLEDライトです。

このサイズのLEDがこんなに軽くなった上に、柱や机などの形に合わせて曲げられ、しかもパーマセルでくっつけておけば支柱も要らないなんて。

ライティングの自由度がどんどん上がるのは、動画だけでなく写真撮影の場でも新しいアイディアが生まれそうで、こういうアイテムには注目してしまいます。

 

最後はこれ

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ブレててごめんあそばせ。

だってスライダーが自動でずっと動いているのですから。

もはや一般的になりつつあるエーデルクローンのスライダーシステムですが、国内代理店ができたそうで。

メンテナンスの窓口が日本にあることで、メールのやりとりが英語とか、修理品を外国へ発送(工場はトルコ!)とかの手間がなくなるだけでも手が出しやすくなります。

ちなみに、並行輸入品は代理店扱いにならないそうなので、若干お高くても安心感は国内代理店から購入…にせざるを得ないようです。

 

さて

今年のCP+はキヤノンニコンに目立つ新機種が出なかったこともあって、ものすごい行列を見ることはありませんでしたが、ソニーはRX0からα9まで幅広い展示で存在感を増していましたし、盛り上がりという意味では去年に勝るとも劣らない印象でした。

ただ、その時はさして気にも止めなかったのですが、今思えばカシオが出展しなかったのは、撤退のサインだったのかもしれません。

来年は「出す・出さない」や「広くなった・狭くなった」にも注目しようと思った次第です。

ちなみに。

カメラ系同人誌を展示即売するコーナーも作らないですかね?

ミスド以外の屋台ももっと増えませんかね?

お腹空くわ…現状、昼食をちゃんと取るなら駅近くまで戻らないといけないので、早めに食べて会場へ行くなどの工夫は必要です。

 

と、注意喚起はそれくらいにして。

 

<おまけ写真>

マウントアダプターの焦点距離を50mmのままにして90mmをつけて微ブレした例w

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下の写真のように、ちゃんと設定すれば暗くてもブレませんw

帰り際はもう日が暮れていました。

MM駅で電車を降りてからここまで全く座れず…疲れ果てても写真は撮ります。

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早咲きの桜(河津桜かな?)にメジロが!

この日最大の収穫でした…おしまい

CP+に行きました その2

前回の続きです。

 

さて、今回のCP+での目的

それは「仕事の役に立つ情報を仕入れる」ということ

 

この際SONYとかCanonとかNikonとかPENTAXとかPanasonicとか…

見てると1日があっという間に終わるのでほぼ無視です。

 

その代わり、DNPなどをよく見学しました。

(韓国で流行りの電球ホニャララが上陸してフォトグッズにまで)

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それから、目立ったところでは中国製品

今やドローンのトップメーカーDJIや、三脚で有名なBENROなどは言うもないので…

例えばLAOWA。

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X-H1に装着して試写

こんなに性能いいのね。

ヨンヌォや焦点工房、シルイなど数年前ならブースもなかったようなメーカーの勢いが凄まじく、中国がカメラ・レンズ・アクセサリーの市場に大きく食い込む日が到来しつつあると思わせてくれました。

 

ちらっと併設の中古カメラフェアを覗いた後は、次の主目的コーナーへと移動しました。

この時間になると、昼食抜きで歩き通しでは疲れる上になんか腹が減るんですが、時間を無駄にできないのと、パシフィコ内は飲食店が少ないため、仕方なく我慢します。

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連絡通路で一枚

X-H1にズミクロン90mmF2を装着

コンタックスが光の魔術師なら、ライカは陰影の魔術師と言ったところ?

 

と、今日はここまで

プロ向け映像機器のコーナーのことは次回書きます。