CONTAX AXっていいカメラ? その2
CONTAX AXの特徴1
Y/Cマウントレンズがオートフォーカスで使える
コンタックスブランドの魅力は、なんといっても「レンズ」です。
凡庸なスペックの玉でさえ、驚くような写真が撮れたりします。
例えばT2のレンズは「38mmF2.8」で、最短撮影距離は70cm。
これといって特色のない…というより逆に、寄れないし広がりもない、どうにも困ったちゃんですが、36枚撮りのフィルムの中でもほんの数枚「おおっ!」て写りのカットがあるから余計に困っちゃう(笑)。
ブームのせいもあるけど、写りが良くなければ人気※1にはならないですよね。
そんなコンタックスレンズがオートフォーカス(以下AFと略)で使える贅沢!
数多あるフィルム一眼レフの中で、途中に何も介さずツァイスレンズを装着するだけでAFできるカメラは、僕の知る限り以下のものしかありません※2。
・CONTAX AX
・CONTAX N1/ NX
・CONTAX 645
・MINOLTA α9(SSM対応)←マウントと機構的にはAFするはずですが未確認
Nと645の各マウントはレンズの種類が少ないため、もうこれだけでAXの魅力の大半は語れてしまいます。
さらに!
Y/CマウントならAFするということは、ヤシカブランドのレンズ群※3はもちろん、タムロン90mmF2.5マクロにアダプトール2※4をつけたり、星の数ほどあるM42マウントレンズ※5にマウントアダプターをつけたりすればAFで使えてしまう。
なんということでしょう、こんな魔法のカメラがAriaの半額以下※6で買えるなんて(笑)
さて、そのAFですが…早い話が、速くない。
ちょっと前のミラーレスカメラくらい※7。
最後に微調整をし始めるとかなりもたつきます。
でも、慣れない人が手動でピント合わせするよりも絶対速いのは確か。
もっと言えば、今のニコンデジタル一眼レフをライブビューにしてAFさせる※8よりもずっと速いです。あれが我慢できるなら全然問題なし。
暗いところやコントラストのないところで迷う感じもミラーレスっぽいですね。
それでもミラーレスにありがちな「抜け」※9が案外ありません。
また、AF作動音は他社の同時期の一眼レフと比べて圧倒的に静か。
AF機構が全然違うとはいえ、さすが京セラと感心します。
ここらへんは、興味があったらぜひ一度手にとって試してみてください。
中古カメラ店で実際にレンズをつけて動作確認すると、自分の感覚に合うかどうかわかりますよ。
というわけで、オートフォーカスの話はひとまずここまでにして。
次回はマクロモードを中心に書きます。
<注釈>
※1 今の価格はちょっとバブルすぎ。
※2 Gシリーズは一眼レフでないので割愛しました。
※3 京セラはカメラをコンタックス、ヤシカ、京セラの3ブランドで作っていました。
現代の「リコーがリコーとペンタックスのカメラを作っている」のと似ています。
ヤシカ、京セラそれぞれに一眼レフがありますが、京セラは独自マウントのAF一眼レフなので互換性がなく(京セラボディにコンタックスレンズをつけるアダプターはあった)ツァイスレンズもありません。
※4 タムロンは昔、レンズ本体にカメラメーカー各社のマウント部を合体させる形式をとっていました。AF機構のない時代はそれが可能だったのです。「アダプトール」というマウント部だけ付け替えれば、キヤノン用レンズを買ってもニコンやコンタックス用として使えるのです。現代のシグマにも同じようなサービスがありますが、工場に送らないといけないので手間のかかり方は大きく違います。
※5 みなさんご存知ペンタックスSPなどで使われているスクリューマウント。機構が簡単なので東西ドイツや東欧、ソ連などで多くの種類のレンズが生産されました。「プラクチカマウント」とも言う…ってモノの本に書いていますが、その言い方をした人を見たことがありません(笑)。
※6 やっぱりこれもバブル。いいカメラですが…。
※7 EOS M初代よりAXの方が速いのではないかと(個人の感想です)。
※8 いつ改良するのでしょう?あのスピードだとエントリー機にバリアングル液晶を搭載する意味が無くなります。
※9 人物を撮ろうとしてAFでピント合わせをした時に、うしろの背景に大きくピントがずれてしまうこと。タッチAFの出現で激減しました。