今更ですが「平成最後の夏」にGRIIを買いました
まずは色々すみません。
ブログ執筆サボりました。
そう!
貴重なコメントまでいただいていたのに、ログインすらせず失礼しました。
スキャナも色々試してみた方がいいですね。
さて。
そんなこんなで平成最後の夏が過ぎ、気がつけば秋真っ盛り。
カメラ界でも空前の大転換期なのか、キヤノンだ、ニコンだ、パナソニックだ、ライカだ、シグマだと「フルサイズミラーレス真っ盛り」になっています。
このままでは「平成最後の夏=一眼レフが主役だった最後の夏」になりそう…個人的には、シグマのLマウントフルサイズミラーレスの登場を心待ちにしていますが、またあの時のように「70万円!」の値付けがされないか不安ですがw
と、そのような流れに逆行するかのように、僕はこの夏GRIIを買いました。
もうIIIが出るじゃん!って時に購入した(以前所持していたので正確には買い戻した)理由は、単に安かったから…もありますが、もう一度原点に戻りたくなったという感じ?説明しにくいですが、GRで撮影の練習をしたくなったのです。
EOS5DMkII以来今まで、デジカメを買うときは常に動画に軸足を傾けていたので(X-H1でも完全に動画を吹っ切った訳ではないです)、もっと「写真を撮る」という感覚を磨きたくなりまして。
ま、見てくださいな。
売ってたのがたまたま初回限定バージョンだったんですよ!
グリーンのリングをわざとつけてます。
(通常バージョンの黒もあるのですが、やっぱ見た目がw)
ああ、見てくださいなの意味が違いましたね。
写真だよ写真w
スナップの感覚が戻らないんですよね、なかなか。
うーん。
ブログもスナップもリハビリ中です。
もっと撮らないとだし、書かないとだな。
RICOH デジタルカメラ GRII APS-CサイズCMOSセンサー ローパスフィルタレス 175840
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- 発売日: 2015/07/17
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もう3年選手か。
でも、いいカメラなんスよ。
今更ですが、次ももうちょっと紹介しますね。
ではまた。
FUJIFILM X-H1を3ヶ月使いました、の続き
さてそれでは、アドバンテージの部分を書きます。
もちろん現在気に入って使用しているユーザーとして書くのですから
「あばたもえくぼ」
的な部分もあると思ってその辺は差し引いて読んでくださいね。
・気持ちよく撮影できるEVFとシャッター
EVFとシャッターで項目を分けようと思ったのですが、撮影感覚の心地良さはこれがセットだからで、両者不可分です。もうこのおかげで今、幸せなフォトライフが送れていると言っても過言ではないくらい。
まず、下手な一眼レフよりよっぽどピントの山が掴める高精細なEVF、長時間見ていても疲れないのは本当に驚くほどです。
それと例のフェザータッチシャッター。
最初のうちこそ戸惑いますが、慣れれば他のミラーレスのシャッターストロークがみんな鈍感に思えてきます。
フォーカルプレーンシャッターの音も静かで心地よく、前回ストロボで散々けなしましたがここに関しては逆に「フラッグシップとはかくあるべし」と褒めちぎりたいです。X-T2はお店で触ったくらいなので正確な比較になるかわからないものの、X-H1の方が明らかに「上位機種」であると言えるでしょう。
・ボディ内手ぶれ補正
これがよく効きます。
流し撮りや一脚撮影をやっていないので、あくまで手持ちで静物を撮影した場合の評価になりますが、かなりファインダーで効きがわかるのです。特に、マウントアダプターでオールドレンズを使っているとき「おお、これはすごい」と体感できます。
ただ、ハイブリッド補正ができないのは勿体無い…将来ファームの改良でなんとかなりますよね?ね?
・バッテリーが3個入る
普通のカメラでは縦位置グリップ(バッテリーグリップ)をつけると、ボディのバッテリーは入らないのですが、このカメラはボディに入れっぱなしで大丈夫。
もちろん装着すれば多少は重くなりますが、安心感に加えてファインダーのブラックアウト時間の短縮などメリットも享受できますし、特に動画撮影にはマストアイテムです。
ちなみに充電はUSB(ボディ)とAC(グリップ)からそれぞれ行うので、同時充電の場合は異様な光景になります。
・サイズと重量
「重い」っていう意見もあるようですが、他社のAPS-Cフラッグシップ一眼レフと比べてみてください。EOS7DMk2やD500より明らかに軽量、K-3IIよりも軽く、マイクロフォーサーズのDC-G9(PRO)と比べてもほぼ同じです。
(α6500はフラッグシップ扱いではないため除外)
・RAW現像アプリが優秀
X RAW STUDIOがいいんです。
もちろんPSでもLRでもできるのですが、フィルムシミュレーションを変更できるのと、処理がぶっちぎりに速い点で、フジ純正を使いたくなります。
ちなみにこのアプリ、PCのCPUに依存せずカメラの画像処理エンジンで動くので、X-H1の高性能のおかげで普通のノートPCでも快適に使えます。
・ストラップ
これも触り心地のいい質感と、適度な幅広サイズで気に入っています。
せめて他のフジのミラーレスユーザーにも使えるよう、ストラップ単体で買えるようにできませんかね?
・エテルナモード
動画向きとの触れ込みですがどうして、写真でも使えます。
確かに彩度はぐっと下がるものの、最近は色が淡くてハイキーの写真に人気があるようで、エテルナをベースにして白トビしない淡い色調の写真を撮る方も増えるのではないかと思います。
・タッチ液晶
ファインダーを覗きながらタッチ液晶でAFポイントを移動させるといった芸が可能になったのも、最近のフジミラーレスの特長です。このタッチ液晶のようにX-T2になくてX-H1にはあるものがボディ内手ぶれ補正以外にもいくつかあるので、「写真画質はX-T2と同じ」という部分にあまりとらわれない方がいいと個人的には思います。
以上ざっと紹介してきましたが、結論としては「よくできたカメラ」だと思いますよ。
特に一番に挙げた、ファインダーとシャッターのおかげで気持ちよく撮影できる点については、ミラーレスカメラ全体でも最上位に位置すると言って過言ではなく、一眼レフユーザーがミラーレスに移行するにも最適です。
またXマウントが今後シネレンズにも注力するとのことで、動画制作にもおすすめできます。
欠点はあるものの、それを気にして「待ち」にしてしまうより、今このカメラで撮れるものを撮った方がいい…ただX-T2ユーザーの方は買い替えに迷うところですよね。
うーん、スナップならステイ。
手持ち夜景やポートレート、スポーツ撮影ならゴーかなあ。
以上長くなりましたが、X-H1を使用しての評価でした。
さて、次何書こうか…。
FUJIFILM X-H1を3ヶ月使いました
予告の通り、使用レポです。
欠点から書き出しちゃいますか。
・APS-Cフォーマットであること
「それを言っちゃあおしめぇよ」ですね、全否定ですから。
僕はこの機種の前までα7sを使っていまして。
フルサイズ1200万画素で画素ピッチが大きいため、RAWを弄ったときの「まだ色残ってるのかよ!」的な驚きは他のカメラでは味わえないものでした。
それに比べたら、画像を拡大した時や現像時の残念感は多少あります。
画素ピッチは案外、拡大時の画質に大きく影響するものです。
またセンサーが狭いことによって、F1.1とかF1.4のレンズをつけた時のボケ感も正直かなり、なくなります。
・操作系(軍艦部がかっこいいが見掛け倒し)
シャッターの前後ダイヤル、軍艦部ダイヤル、そしてレンズ根元の絞りと、ありとあらゆるところに操作部の重複があってややこしいです。
僕の場合、フォーカスポイントの移動にタッチ液晶を使ってしまうのでジョイスティックも不要になってまして、「操作の自由度が大きい」といえば聞こえはいいけど実際、メーカーもユーザーの意見に振り回されて「ええい!じゃあ右にも左にもつけてやるぜ、これで文句ねえだろ」的な迷いを感じます。
EOSを見習うべし。
いい意味でも悪い意味でも、一般ユーザーの声には耳を傾けないから(笑)
・バッテリー
ソニーでこれ以上を経験済みなので驚くほどではないのですが、この機種も燃費が悪く(バッテリー容量の問題か)ふと気づくとカラータイマーが赤になっています。
僕は縦位置ブースターグリップを常用しているため、実際に切れたことはないものの、一般的な使用であってもバッテリーの2個持ちはマストです。
・せっかくのダイナミックレンジ拡大が…
DR400、まだ使ったことがありません。
ISO感度を上げないと使えない機能だからです。
僕の使い方は特殊なのでそんなに声高に欠点とは言えないかもですが、ストロボ使用時に飛び・潰れをなんとかしたいと思っても、ISO1600に設定したらそもそもストロボ使えないじゃん、みたいなことになっております。
ベースISOが低ければ解決しそうなのですが…ISO200スタートはデジカメとしてごく一般的なので、そこを責めてもなあ。
・付属ストロボ
貧弱だなあ…キャッチライトにはいいかもですが。
まだEOS MとかNikon1のストロボの方がましだったような。
また、ヒンジがちょっと浮き上がっても発光するので、つけっぱなしにしたいと思いつつ外してしまい、あとで後悔みたいな経験がありました。
それと、これがまたフラッグシップらしくないというか…チャージ時間が長いんですわ(笑)。ここの部分だけエントリー機レベルなの、なんとかして!
・背面液晶
すっごくいいんですよ、このカメラのEVF。
で、ちょっと外してライブビューで撮ろうとすると「ん?」ってなる。
ヘビーに使っているとおそらくみなさん、しまいには一眼レフスタイルでしか撮らなくなると思います。
EVFがすごくいい代償として、背面液晶がなんとなく落ちて見えるというジレンマ。
・現状のフィルムシミュレーション
「何を馬鹿な!」は承知の上で書きます。
ASTIA、Velvia、PROVIA、ACROS、ETERNA…何のこっちゃ?って人、正直富士フイルムデジタルカメラユーザーの半数以上じゃないですか?使ったことないんですよ、フィルムなんて。しかも厳密に言えばフィルムの色そのままでもない。
つまりフィルム派とデジタル派、どっちの需要も満たしてないんじゃないか…看板機能なのは百も承知で、あえて言いますけど。
なのでフィルム名よりも色調の方をよくわかるようにして欲しいのと、これのせいで?エフェクトモードがないため「銀残し」などを再現しようとすると案外手こずるのがフジのカメラ、ここはUIなどの改良で雰囲気を残しつつ変えていって欲しいなあ。
・動画、意識してますか?
形がクラシックカメラすぎて、動画撮影の際には横に張り出した吊り環通し金具などが気になるところです。
・その他
AFもグイグイくる感じはしないですし、電源ON/OFFでもたつく場面も時々あります。
価格の割には、例えば質感等でX-T2と比べて特に「すげー!」となる部分が少ない(特に撮った写真に関して)ですから、フジの写真画質を味わうための選択肢であればX-E3やX-T20といい単焦点レンズとの組み合わせの方が幸せでしょう。
あと、Wi-Fiアプリ…こなれてないっていうか、SDにデータがいっぱい入ってる時に接続すると写真表示がタラタラしすぎとか、そういう細かい注文もあります。
と、ここまで粗を書きました、が。
だったら僕の場合、買取値が下がらないうちに売ってしまうわけで。
まだ持っている理由、つまりこのカメラのいいところを次回書きます。
お楽しみに。
CONTAX AXって、やっぱりいいカメラ!
僕の結論は、表題の通りです。
でなきゃこうして再び購入したりしません。
実写サンプル
モデル:米倉れいなさん※1
一段くらい絞ればいいものを、これもテストと思って開放で撮っています。
AFの精度はこんな感じ。悪くないでしょ?
適度なコントラストさえあれば合わせたいところに合うのです。
モデル:キム・へジンさん※2
FUJIFILM リバーサルフィルム フジクローム Velvia 100 35mm 36枚 1本 135 VELVIA100 NP 36EX 1
- 出版社/メーカー: 富士フイルム
- 発売日: 2013/04/01
- メディア: Camera
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こっちもF1.4とF2くらい。
発色はレンズとフィルムの関係で決まるため、カメラの性能は関係ないですが、露出がこちらの意図通りに決まるのは露出計の精度のおかげ。
どちらの場合も絞り優先AEなので、AEも褒められていいレベルです。
(ちょっとDXごまかしたり、ポジは減感をしたりして調整しています※3)
僕は、例えばマミヤRB67※4みたいに巻き上げや内蔵露出計どころかクイックリターンミラー※5もなく「全てマニュアルで設定して撮ります」のカメラも好物です。
ですが、撮影のための準備時間が少ない時の対応や、撮影した写真のアタリ打率を考えると、アシスト機能が多いに越したことはないことも承知していて、AXはそれに応えてくれるいいカメラだと思っています。
決して山登りに連れて行けるヤツじゃないですが…そこはそれ。
もちろん、コンタックスですから弱点は多いですよ(笑)※6。
電気系の故障、ガバナー鳴き、ミラーずれ、視度補正ダイヤルが壊れやすいなど、挙げれば色々なのですが、丁寧に使ってあげることと定期的なメンテナンス、そして何より「状態のいい中古を買う」ことでかなり回避できます。
というわけで、僕のCONTAX AXについての評はここまで。
次回からは、3月に購入して約3ヶ月経ったX-H1、使ってみてわかったことを書いてみようと思います。
(だって、このブログに来られた方の検索ワード「X-H1」がほとんどなんです笑)
<注釈>
※1 ベルマーレクイーンを務める健康的で笑顔のチャーミングな方…あ、こういう注釈は不要ですかね(笑)
イルフォードのXP2SUPERはカラーネガと同じC-41現像(お店で普通に頼む現像方式)なので、1時間以内に仕上がるスグレモノだと個人的に思っています。富士フイルムがモノクロ製品の製造販売をやめても、少なくともコンシューマー向けであればこういう製品で穴は埋まります。
ISO感度も中庸で使用場面を選ばないし、ご覧の通りシャープネスも十分。なので「カメラ女子」にはもっと使って欲しいフィルムですね。
自家現像やらない派なら覚えておいて損はないです。
※2 日本の大学を出て日本語が堪能な才媛のはずなのに、時々とぼけるスキルまで持ち合わせる美女…しつこいですね(笑)
リバーサルフィルムは軟調のもの(ASTIAなど)がなくなってしまったので、ポートレート撮影の際はPROVIAの設定感度を低くして撮影した上で減感…などという小細工をしています。でも上がりを見れば、ネガともデジカメとも違ってちょっと感動する画が手に入るのですよ。安いコンパクトに入れるのは不安でも、普通の一眼レフなら案外バッチリ撮れるので、もっと使って欲しいフィルムです…特に、カメラ女子?(だって、そこが今のフィルム消費のボリュームゾーンですものね)
AriaとかT3に入れて撮ってみて〜!
※3 DXコードとは、フィルムのパトローネ(外側の金属覆い)に黒と無地で描かれている幾何学模様のこと。物凄く粗く情報量の少ない元祖バーコードです。
今回これを自動ではなく手動設定にして、露出補正ダイヤルを動かさずにオーバー露出させた、ということなんですが…カラーネガではほぼ使わないテクニックです(笑)
また減感とは、現像時間を設定より短くするテクニックで、対になる言葉に「増感」があります。一般的に増感→硬調、減感→軟調になるのですが…これもカラーネガではやらないので、頭の片隅にでも置いといてください(笑)
※4 昔の写真館では普通にあった中判カメラ。マミヤは戦後間もなくからの老舗メーカーで、警察用ピストル型カメラ(どうやら安保デモのメンバー撮影に使ったらしい)などユニークな機種も生産していたのですが、今はフェーズワンという中判デジタルカメラのメーカーに吸収されています。
RB67シリーズは電池要らずで撮れ、シャッターチャージとフィルムチャージが別、しかもシャッター後にミラーを戻すのも手動という究極のフルマニュアル。
カメラの作法を一から学べる教材として、これに勝るものはないと思います。
(全部やらないとシャッターが切れない機械連動機構は素晴らしい!の一言です)
ただ、これほどの機械カメラでありながら(シャッターはSEIKO製)オートのカメラを馬鹿にする向きに使わせると泣いて喜ぶか?というとそうでもないのが彼らの不思議なところ(笑)
※5 世界で最初の一眼レフは、上記RB67のようにシャッターを切ったらミラーが上がってファインダーが真っ暗になる→ミラーを戻す、という手間がありました。
それを今の形に進化させたのは旭光学(現リコーイメージング)。今のフラッグシップデジタル一眼レフは1秒間にミラーボックスのあの鏡が14回も行ったり来たりするんだそうで…すごい。
※6 特にミラーずれと液晶漏れは、ほぼ全部の機種に起きるコンタックスの宿痾です。
CONTAX AXっていいカメラ? その4
CONTAX AXの特徴4
高級機&高機能
意外と知られていないことですが、AXは「高級機」です。
丸窓ファインダーにはきちんとアイピースシャッター※1がついています。
SSダイヤルには1/4000までしか刻まれていませんが、絞り優先AEにすると1/6000までの高速シャッターが使えます
他のメーカーでこの仕様を全て満たしている機種※2をみれば、その立ち位置がよくわかるというものです。
また、オプションが豊富。
ストロボ接点がコンタックス最多の5接点※3なので、純正最高級ストロボTLA360がフルスペックになりますし、外部電源P-8※4が使えるので寒さにも強い、裏蓋をデータバッグD-8に換装すればコマ間に撮影データが写せる、といった具合です。
他にちょっとした機能としては、フィルム巻き上げ時にベロ出し※5状態にしてくれるモードがあったり、オートブラケット撮影※6や多重露光が簡単にできたり、中央部重点測光とスポット測光※7が選べたり、この頃の機種にしては珍しく連写スピードが二段階だったり…果てはコンティニュアスAF※8も(追従性はものすごく低いけど)搭載しています。
CONTAX AXの特徴5
重量
実際問題、35mmフィルム一眼レフとして例のない重量は撮影者の負担になります。
ニコンF6※9の975gに対して、AXは1080g。
D850(バッテリーとXQDカード込)が1005gですから、重量級のデジタル一眼にも勝る重さです。「特徴」のマイナス面はほぼここに集約されるでしょう。
ただ不思議なもので、例えばプラナー85mmF1.4やディスタゴン35mmF1.4をつけて使った時に、安定感を一番感じたのはAXがボディの時なのです。
ヤシコンのレンズはMFなのに重い代物※10がほとんどであるため、ボディとの重量バランスが取れない感覚が拭えない(レンズを持っているように思える)のが、AXだとカメラ全体でホールディングできるのです。
もちろん個人の感想ですが、結果、手ブレも少ないように思います。
グリップの下にバッテリー収納部の蓋があり、それが小指をかけるところにもなっているといった※11設計の妙もあって、言葉では伝えにくいホールドの良さを感じます…が、それはそれ。AXと35、50、85をバッグに入れただけで2kg超えですからね。
女子人気がないのも納得です。
さて、能書きはこのくらいで終わりにして次回は実写レポを書きます。
お楽しみに。
<注釈>
※1 風景写真などを撮影する時、アイピースから目を離してリモートレリーズでシャッターを切りますが、一眼レフの構造上アイピースからも光が差し込むと(というわけで、ミラーレスでは起こらない現象です)、レンズからの光の量にそれをプラスしてカメラが露出の判断をしてしまいます。
そういう「なんかちょっと思ったより露出アンダー」な写真になるのを防ぐため、アイピースからの光を遮るシャッターがアイピースシャッターです。
現在一部高級機を除くとアイピースシャッター自体は絶滅状態ですが、シリコンゴム製のアイピースキャップが代用品としてあります。
※2 丸窓が高級機の証であるニコンのデジタル一眼レフは、D800シリーズかD一桁がそれに相当します。
※3 RTSIIIでさえ3接点(マニュアルが基本だから、というのもありますが)。
※4 AXは普通2CR5という電池を入れますが、P-8という単3電池4本を束にした電源をソケットに挿しても作動します。寒冷地などではこのP-8部分のみを温めて、バッテリー出力の低下を防ぐことができます。
※5 自家現像(お店に出さず自分で現像すること)の場合、巻き上げでパトローネにフィルムを全て巻き込んでしまうと、取り出しが難しくなります。自動巻き上げカメラの場合はほとんどの場合全部巻ききってしまうのですが、AXは少しだけ出しておいてくれるように設定できるので、自家現像派想いのカメラといえます。
※6 リバーサルフィルムを使用するなどで「ここは露出を外せない」という場合、3段階で「設定露出」→「若干プラス露出」→「若干マイナス露出」を撮って保険をかけるのです。フルマニュアル機では、自分でダイヤルを操作して3枚撮らないといけないですが、このカメラの時代からは自動でもできるようになりました。
「設定露出」→「若干プラス」→「もっとプラス」
「設定露出」→「若干マイナス」→「もっとマイナス」
という撮り方もあります。
※7 フレーム全体の明るさの平均値をみて露出を判断するのが「評価測光(平均測光)」で、これが一般的ですが、例えば「周囲の景色は飛んでもいいから逆光の真ん中にいる人物の顔の方に適正な露出を」といった場合、フレームの真ん中あたり数%だけの測光値で露出を決定するモード「中央部重点測光」を使います。
「スポット測光」はもっと過激で、ほぼ真ん中ピンポイントの測光値で露出を決めます。色合いでも測光値が変わるため、「花」の中の「この花びら」で露出を決めたい場合などに使います。
※8 動いている物体に応じてピント位置も随時変えていくオートフォーカス方式。
未来予測ができないと難しいため、少し前までは上下左右に一定スピードで動くならともかく、ジグザグに動いたり前後に動くものに対してはフォーカスを外しまくっていたのですが、コンピューターの進歩でがっつり合わせてくるようになりました。当然、AXの頃のコンティニュアスAFはアンポンタンです(笑)し、ボディ全体でピント合わせをするため動作的にも追従が難しいのです。
※9 そろそろプロも仕事カメラがデジタル一眼レフに切り替わったよね〜な2004年、突如現れた、現在までのところ国内最後の35mmフィルム一眼レフ。
これとFM10、キヤノンEOS-1Vの3機種が、新品で買える日本メーカーの一眼レフの全てでしたが、キヤノンはそろそろ終了とのこと…。
※10 テッサー45mmF2.8MMJのような例外もあります。
※11 最近、SONYα9用に純正の小指かけが発売されたそうですが、大きいカメラを使っていて、右手小指の位置に何か取っ掛かりがあるだけで安定感が段違いなのは、昔も今も変わらないのだと思いました。
CONTAX AXっていいカメラ? その3
CONTAX AXの特徴2
マクロモードがボディに搭載されている
一般的にマクロ撮影をする場合
・マクロレンズを使う
・マクロ機能のあるレンズを使う※1
・クローズアップフィルターを使う※2
・接写リングを使う※3
・リバースリングで広角レンズを逆に装着する(一般的か?)※4
と、全てレンズ側で接写への対応をさせるのですが、AXにはなんとボディに「MACRO」というモードがあるのです!
理屈は割と簡単、オートフォーカス機構の応用でフィルム面をバックさせるだけ。
無限遠ではピントが合わなくなりますが、マクロレンズ以外でも結果は一緒なので不便には感じません。逆にレンズに余計な「〜リング」などをつけなくてよいため、手間もありません。
ですが効果は絶大、最短撮影距離約1mのプラナー85mmF1.4でも、約半分の50cmくらいまで寄れてしまう。このままお花を綺麗に撮ってもいいですし、せっかくプラナーなので女性の目元のアップでもいいんじゃね?となります。
コンタックスのマクロプラナーはシャープな描写をする代償として、こういう写真を撮ろうとすると「写り過ぎる」傾向にあるため、僕にとってはこのマクロ機能が役に立つのです。
ちなみに。
僕はずーーーーっと前から「5軸ボディ内手ぶれ補正」を搭載したデジカメにはこれが可能なんじゃないかと思っています。
どっかのメーカーで実現しないものでしょうか?※5
CONTAX AXの特徴3
フェザータッチじゃないことの良さ
突然ですがみなさん、親指AFしてますか?
…8割以上はしてないし、そのうち半分以上は「親指でAFってなに?」ですよね。
一般的にAFっていったら、シャッターボタンを半押ししてピント合わせを開始、合焦したら押し込みという手順をとると思います。
親指AF、便利なのになっ。
それは注釈で説明する※6として、AXも方式は同じ。
半押ししてピント合わせ、合ったらそのまま押し込むとシャッターが切れる、です。
これがいい。
…意味わかんないですねすみません、ご説明します。
ドイツで休眠状態だったコンタックスブランド※7が、1975年に日本のヤシカで復活した時最初に発売されたカメラは「RTS」という名前でした。
これ、Real Time Systemの略です。
シャッターチャンスを感じた人間がシャッターボタンを押して、実際にシャッターが切れるまでのタイムラグをできる限り短くするため、当初から電子式シャッターを導入した※8上に「ボタンストロークが軽くてとても短い」というのが、コンタックスカメラのコンセプトとなり、これ以後も貫かれました(一部例外あり)。
これはこれで大変素晴らしいのですがそうなると、デジカメ出身の僕が不用意にRTSで撮ろうとしてシャッターボタンに指を乗せた瞬間
「あ」
「カシャ」…。
ごくたまにですが、こんなことも起きてしまいます。
ほら、νガンダムのフィンファンネルがアムロの意思に敏感に反応しすぎて※9…わかりにく過ぎる例えなので無視してください(笑)
現在「フェザータッチシャッター」を売りにしている富士フイルムX-H1の40数年も前に、同様のシャッターは存在していたのですね。
AXはその点、今の二段階ボタンと同じ感覚で押せるため、安心です。
しかも、現代の最上級機を除くデジタル一眼レフと違ってシャッターボタンの感触がグニュっとしていないので※10、フィーリングも良く撮り味が小気味いいのです。
今回は2つ書いてしまいましたが、まだ特徴はあるので次回もお楽しみに。
<注釈>
※1 レンズ名の末尾に「MACRO」と書いているものが該当します。
※2 プロテクトフィルターと同様レンズの前に、フィルターレンズを一枚ねじ込んでつけます。一般的にNo.1〜No.3まで販売されていて、数字が大きいほど倍率が高くなり、ピントの合う範囲が狭くなります。
※3 クローズアップフィルターと逆に、レンズの後ろにつける筒状のものです。
※4 実はレンズを前後逆さまにしてカメラへ装着すると、接写が可能になります。絞りをボディで制御するようになったAF全盛時代にほぼ絶滅した技術です。
※5 これって意外に誰からも気づかれないテクノロジーなのでは?極楽堂WEBサイトに「クローズアップの部屋」がありますが、実はそこでも取り上げられていないのです。
※6 中級以上の一眼レフには右手親指を乗せる位置にAFボタンがあります。シャッターを半押しすると測光もピントもやり直してしまうため、それらをFIXしておきたい時や、逆にシャッターはシャッター機能だけにして、フォーカス・測光ボタンを独立させたい時に使用します(もちろんAXにもあります)。
※7 旧Contaxブランドについて詳しくは割愛しますが、ライカと並ぶカメラメーカーであり、レンズ・カメラともに先進性が高く、ニコンSシステムのパクリ元…じゃなかった、いいお手本でした。戦争でツァイスがパックリ東西に分割されなければ歴史は変わったかもしれません。
※8 ヤシカというブランド自体は今香港で存在していますが別会社。旧ヤシカは「ヤシカエレクトロ」など電子制御カメラの製造に長けていて、それが協業の決め手になったとか。このヤシカが京セラに吸収合併されてコンタックスはさらにとんがった…じゃなかった、優れた技術を手に入れることになりました。実は旭光学(PENTAX)と組む話も進んでいたらしく、その名残を所々で見つけると、カメラのIFの歴史が楽しめます。
※9 「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」より。みんな、試運転はちゃんとしようね(byオクトーバー・サラン)。
※10 Canon EOS6Dのシャッターボタンはユルかったなぁ。
CONTAX AXっていいカメラ? その2
CONTAX AXの特徴1
Y/Cマウントレンズがオートフォーカスで使える
コンタックスブランドの魅力は、なんといっても「レンズ」です。
凡庸なスペックの玉でさえ、驚くような写真が撮れたりします。
例えばT2のレンズは「38mmF2.8」で、最短撮影距離は70cm。
これといって特色のない…というより逆に、寄れないし広がりもない、どうにも困ったちゃんですが、36枚撮りのフィルムの中でもほんの数枚「おおっ!」て写りのカットがあるから余計に困っちゃう(笑)。
ブームのせいもあるけど、写りが良くなければ人気※1にはならないですよね。
そんなコンタックスレンズがオートフォーカス(以下AFと略)で使える贅沢!
数多あるフィルム一眼レフの中で、途中に何も介さずツァイスレンズを装着するだけでAFできるカメラは、僕の知る限り以下のものしかありません※2。
・CONTAX AX
・CONTAX N1/ NX
・CONTAX 645
・MINOLTA α9(SSM対応)←マウントと機構的にはAFするはずですが未確認
Nと645の各マウントはレンズの種類が少ないため、もうこれだけでAXの魅力の大半は語れてしまいます。
さらに!
Y/CマウントならAFするということは、ヤシカブランドのレンズ群※3はもちろん、タムロン90mmF2.5マクロにアダプトール2※4をつけたり、星の数ほどあるM42マウントレンズ※5にマウントアダプターをつけたりすればAFで使えてしまう。
なんということでしょう、こんな魔法のカメラがAriaの半額以下※6で買えるなんて(笑)
さて、そのAFですが…早い話が、速くない。
ちょっと前のミラーレスカメラくらい※7。
最後に微調整をし始めるとかなりもたつきます。
でも、慣れない人が手動でピント合わせするよりも絶対速いのは確か。
もっと言えば、今のニコンデジタル一眼レフをライブビューにしてAFさせる※8よりもずっと速いです。あれが我慢できるなら全然問題なし。
暗いところやコントラストのないところで迷う感じもミラーレスっぽいですね。
それでもミラーレスにありがちな「抜け」※9が案外ありません。
また、AF作動音は他社の同時期の一眼レフと比べて圧倒的に静か。
AF機構が全然違うとはいえ、さすが京セラと感心します。
ここらへんは、興味があったらぜひ一度手にとって試してみてください。
中古カメラ店で実際にレンズをつけて動作確認すると、自分の感覚に合うかどうかわかりますよ。
というわけで、オートフォーカスの話はひとまずここまでにして。
次回はマクロモードを中心に書きます。
<注釈>
※1 今の価格はちょっとバブルすぎ。
※2 Gシリーズは一眼レフでないので割愛しました。
※3 京セラはカメラをコンタックス、ヤシカ、京セラの3ブランドで作っていました。
現代の「リコーがリコーとペンタックスのカメラを作っている」のと似ています。
ヤシカ、京セラそれぞれに一眼レフがありますが、京セラは独自マウントのAF一眼レフなので互換性がなく(京セラボディにコンタックスレンズをつけるアダプターはあった)ツァイスレンズもありません。
※4 タムロンは昔、レンズ本体にカメラメーカー各社のマウント部を合体させる形式をとっていました。AF機構のない時代はそれが可能だったのです。「アダプトール」というマウント部だけ付け替えれば、キヤノン用レンズを買ってもニコンやコンタックス用として使えるのです。現代のシグマにも同じようなサービスがありますが、工場に送らないといけないので手間のかかり方は大きく違います。
※5 みなさんご存知ペンタックスSPなどで使われているスクリューマウント。機構が簡単なので東西ドイツや東欧、ソ連などで多くの種類のレンズが生産されました。「プラクチカマウント」とも言う…ってモノの本に書いていますが、その言い方をした人を見たことがありません(笑)。
※6 やっぱりこれもバブル。いいカメラですが…。
※7 EOS M初代よりAXの方が速いのではないかと(個人の感想です)。
※8 いつ改良するのでしょう?あのスピードだとエントリー機にバリアングル液晶を搭載する意味が無くなります。
※9 人物を撮ろうとしてAFでピント合わせをした時に、うしろの背景に大きくピントがずれてしまうこと。タッチAFの出現で激減しました。