夢芝居
お知り合い以外に依頼してポートレートを撮られたことのあるカメラマンならよくご存知のことと思いますが
モデルさん(圧倒的に女性)とカメラマン(圧倒的に男性)のイザコザは日常茶飯事。
まさに
お〜とことおんな〜ぁ、あ〜やつりつら〜れぇ〜♪
梅沢富美男さんの「夢芝居」みたいですね。
(多少のこじつけ感は許してニャン)
え?そんな歌知らない?
例えがモロ昭和?
はぁ〜「うっせーうっせーうっせーわぁ」
想定読者も昭和で、問題はなし!!
おっと。
久しぶりに書きながら、全然そんな感じの微塵もない不躾な枕にて失礼しました。
メインタイトルはずっとラヴ&ピースなのに。
と、そんなことより
バラエティでの梅沢さんしか知らない方はぜひこちらをご覧くださいませ。
踊る姿も拾ってきました。
あぁきれいだなあ、この頃の舞台を撮ってみたかったわー。
もちろんデジカメなんかない時代ですから、645あたりのフィルムカメラでね。
撮影結果もその場じゃわからない、感度も高くできない、それこそ「ちゃんと写す」だけでも難しかった分、技術の差は明確に出ますから、今よりずっとやりがいがあったろうな?と思って。
さて、話を戻します。
撮影時や交渉時のトラブルが絶えないため、フリーランスモデルの中には自衛も兼ねて、最初からTwitterの固定ツイートやプロフ、ツイフィールなどで「この条件じゃないと受けませんよ」と注意書きをされている方がいらっしゃいます。
ところが。
男性カメラマンで「この条件じゃないと撮らないぜ」と書いている方はなぜかいない。
ごくごくたまに「向こうから撮ってくれと声かけてきたくせに、有償って言ってきた」的瑣末な告発ツイートは見かけますが…。
やっぱり男が撮影条件を書いたり、モデルのいい加減だったり詐欺まがいの行為を言い立てたところで
「条件なんてつけられる立場か」
「スケベ心につけこまれたんだろ?」
と括られてしまうのかしら?
人間性は年齢や性別と無関係、モデルさんにもピンから兄弟…じゃなかった、ピンからキリまでいるのに、おっさんは声をあげられないなんて、
それこそ
「ジェンダーの平等」じゃないですよね?
という観点から不肖私めが先陣を切り
「こういう方はお断り」
と但し書きを掲げようと思い立ちました。
僕もかれこれ3年くらいポートレートを撮ってきている中で出会った代表的にヤバい例を、今回あげさせていただきます。
あーそうさ!
そーだよアホだよ(軟式globe)
全部自分の恥さらしだよっ笑
そうなんですけど、でもこれからポートレートを撮られる方への注意喚起はあるべきと思ったし、やっぱりダメなものはだめなのさ。
以下の例は全部実話なので「そういう闇もある」というご認識を持ってカメラマンそれぞれが自衛していただけたら幸いです。
そして下記に当てはまるモデルの方
うっかり僕が声をおかけした時は
「すみません該当者です」
と名乗って身を引いてください笑。
ではスタート!
ケース1:“不治の病”にかかってしまう方
撮影日が近くなると病気にかかったり、体調が優れなくなる方がいらっしゃいます。
時折スタジオを予約してから「発熱が」とおっしゃる方もいて、生じた金銭的損害に内心憤りつつも心配して「治ったらご連絡くださいね」と送りますが…この場合、完治の報告が来たためしがありません笑
インフルに何ヶ月もかかり続けると、ヒトはどうなるのでしょう?
教えて医学の人。
ケース2:音信不通になる方
初めてDMでご挨拶してから、実際に撮影するまでは非常に時間がかかります。
相互理解からはじまって撮影場所やスケジュール、イメージのすり合わせなどをやりとりするエネルギー消費たるや、土日と夜しか使えないサラリーマンにとってかなり負担なのをご理解いただきたいのですが
「あとは撮るだけ」
という段階に至ってから全く返信が来なくなるケースも多いのです。
料金を先払いしてからの音信不通が2例、番号交換してからの不通も1例あります。まあ、よくよく金を取られるお人好しなアタシがバカなのも確かなんですけど、怪しいのは最初からもうすげー怪しいのです。だって「お金ない」ってのが撮影よりも先にくるんだもの。
ただ僕には、YouTuberさんがたまにやってる「ぼったくりバーへ行ったらどうなる?」的な興味がすごく湧いてしまう悪い癖がありまして。払ったらこの後どう言ってくるのか?果たして写真は撮れるのか?って。
結果、絶対撮れない笑
ただ流石にこの前、払った直後に「もう3万送って」と要求するDMが来た時は
「ナナメ上だ」とびっくりしました。
連絡つかないのでここに書きますが
「あなたにその価値はない」です。
まぁ興味だけで毎回何万も失うわけにいきませんし自戒も込めて
今後一切、そのような先払いはいたしません。
貧乏人にたからないでね?
あと。
一応、そういう方のお名前は絶対忘れません(アカウントネームではない)。
ケース3:言われた通りにしたのに理不尽な結末になってしまう方
パッと見怪しくないモデルさんにありがちなパターンです。
実例を挙げてみましょう。
撮影日が決まってからインスタの投稿が途切れたので「どうしたの」と訊くと「前に撮影された人に容姿のことを言われて傷ついたから、もう被写体はやらない」という回答。
お気持ちわからなくはないですが、それは僕のせいでしょうか?
容姿について傷つく発言をした人は撮れて僕が撮れないなんて、理不尽ですよね…と責めると拗れるので、そっと慰めてこの話はなかったことにしました。
また別の例。
最初DMでお声がけした時はスケジュールがタイトだったらしく「2ヶ月後にまたDMくださいね」との返信があり、素直に従いました。
そして2ヶ月後…「どうですか?」とDMしてみると「もう新規依頼は受け付けていないですってプロフに書いてます」とのお答えが。
いや、フォローしてますしTLは読んでますけど、プロフの変更はわからないでしょ?しかもあなたの指示の通りにしたのに、なぜ「うぜーなこいつ」感を出されるのか。
思いっきり冷たいDM文面の最後に「もう他の人に依頼してください」と結んでありましたので、そこも素直に従わせていただきました。
あたしゃどんだけドMやねん。
ケース4:メン○ラな方
躁鬱とか、死にたがりとか、多少のリスカがあるとか、そういう普通のお嬢さんはここで言うメンヘ○のレベルではありませんのでご安心を。
僕が出会ったのはそれを遥かに超える、ビヨンザノーマルメ○ヘラです。
その1
現場にODで来るってどうなん?
しかも向こうから「有料で撮って」と誘っといて!
その2
15時待ち合わせで来なくて、連絡しても返事がなくて、1時間近く待って帰りの電車に乗ったら「今起きました」ってのもありました。お恥ずかしい限りですがこの話はその先があります。
恥を忍んで書くと、腹立ち紛れについ「なんか3時間遅れ分のサービスないの?」「といっても、おっぱい触らせてってわけにもいかないし」と送ってしまったため、相手に「それが怖い」と逆に怒られまして…それ以来、冗談でもDMで揚げ足を取られるようなことは絶対書かなくなりました。
ありがとう!ちょっと強くなったよ僕。
そして究極はその3
「パンツいりませんか?」
スタジオを予約してから体調が悪いとドタキャンした方と連絡がついたので(奇跡!)「大丈夫?」と送ったら「本当にすみません。お詫びに高校の時履いてたパンツを差し上げますが要りませんか」と回答が。
え…!?
あの、さすがにこの後どうなるかの興味がすごくすごくあったのですが「要ります」と書いて、部分だけ晒されたら変態確定です。
丁重にお断りをしてリスケをお願いしたあと、無事音信不通になりました笑。
ケース5:再計算?する方
これは1~4よりまだ許せるのですが、撮影交渉の最終段階で「やっぱり交通費を計算したらいくらになりました」と、当初の話よりも総額が上がってしまい、スタジオ代のロスを考えると払わざるを得ないことになってしまうケースがありました。
もちろん事実かもしれません。
住んでいるところを細かく聞くわけにもいきませんし。
でも、事実であっても正直いい気持ちではないことはご承知おきください。
ケース6:時間内ですョ!な方
過去一度だけありました。
撮影日が正月松の内で確かに寒かった。でも決してモデルさんを長時間歩かせたり薄着にしたわけではありませんし、体調が悪ければ、こちらも切り上げます。
着衣の毛羽がコートに付くのを気にされていたため、クリーニングブラシまで購入して差し上げたのですが、お約束の時間まであと残り10分以上ある時に口にされたのが
「まだ撮るんですか」のひとこと。
どうも全てのイライラがこちらのせいみたいになっていて非常に後味が悪かったというか、ぶっちゃけ殺意がよぎった思い出が…うーん香ばしいなぁ笑
カメラを持つからにはもっと「禅の精神」で挑まないといけない!と悟りましたので、もし次にこんな方と大惨事(原文ママ)接近遭遇してしまったら
「ではやめましょう」
とにっこり笑ってすぐその場で解散し、データはそのままお蔵入りさせますね笑
ケース7:がっかりされても困ります、何も期待しないでください
「真面目に撮るおっさん」
それ以上でも以下でもない、僕は映画に出てくるようなオサレなカメラマンではありません。
出会った途端に表情が曇るのはこちらもわかるので辛いです。
過去このパターンで、ある女優さんから頼まれて撮影したにもかかわらず、載せたと思ったらすぐ先方のSNSから削除され「ああ、単に撮影者である僕への言い訳で載せたのね」と気づいた、そんな苦い記憶があります。
ちなみに人気が出る人やすでに人気がある方はその真逆で、本心はどうあれ笑、カメラマンが気持ちよく撮れるよう配慮してくれます。
「気遣いができるかどうか」
ってモデルさんに必須の要素なんじゃないかと思うのですが…ま、個人の感想です笑
ケース8:画像が使えなくなる方
うーん。
仕方がない部分もあるのですが、撮影前と撮影時には「自分のSNSに載せていいか」と確認しているのですよね。それが後出しで事務所なり撮影会なりから全面掲載禁止がかかると、結果として払ったお金に見合ったサービスをいただいたのか?という疑問が。
撮った写真を自分で鑑賞するだけって、悲しいんですよ。
僕の場合は技量の維持向上と、理想のカメラに出会うために撮ってまして、別に推しに貢いでいるわけではないのです。
以前一度OL兼グラドルの方に、撮影会での写真を共有して「掲載NG」のカットがないか確認したところ「やっぱり恥ずかしいから全部掲載はNG」と言われ、目の前が暗くなるサントワマミーだったこともありました。
そっか、オレの写真はまだまだそのレベルなのだな…しんみり。
まとめ:
さて、こんなに引っかかっている笑ボクに「地雷の見分け方」を聞いても無駄です!
が、強いて言うなら「掲載写真ではない普通の文字ツイート」のほうに真実があるように思います。
特殊なメンタルの方のアカウントはなんとなく違和感を覚えます。
あとはもう、撮影実績が多いモデルさんにお願いするしかないかと。
こんな風に、痛い目に散々遭いながらも僕が撮り続けている理由は単純です。
人生の折り返し点を過ぎてますけど、人物カメラマンになりたいんですよ。
プアだけどピュアなのです(貧乏かつバカともいう)。
男性、子ども、シルバー世代の撮影はむかし約5年ほど、半ば押し付けられて嫌というほど撮り続けましたのでなんとなくアレルギーを感じるものの、多少の心得はできました。
今はとにかく、女性を撮れる力をつけたい。
例えば今月号のコマーシャルフォトにある8×10の写真や
KEEN MAGAZINEのモノクロポートレートを頭の中の理想にしています。
(とはいえ世の中のニーズは圧倒的に普通のグラビアやインタビュー、宣材、ブロマイド系なので、それらが確実に撮れる人になりたいのですが)
だから
どうか、どうか、それを妨げるのだけは…。